Say☆you へぶん９【男性声優】

やっぱり雰囲気クラッシャー 梅原SIDE ページ16

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俺と歳もあまり変わらないのに主役級のポジション。ベテラン声優の方たちにも劣らない演技力。


だけどひと度マイクから離れれば、


｢メーウー、今日もナウいねー！｣


あだ名のセンスは壊滅的だし、満面の笑みで死語を言うし、真顔でボケて他の人からのツッコミを待ってるし。


はっきり言って、変な人だなって言うのが第一印象だった。





・・・そんなある日、いつものようにローテンションでスタジオに入ろうとしたら


『梅原アイツ調子に乗ってるよな』


『顔だけじゃん』


『顔がちょっといいからってチヤホヤされてマジでムカつくよな』



聞こえてきた俺の悪口。
・・・いつものことか。とドアに手をかけた時、彼女の凛とした声が響いた。



｢へいへい、そこの男子たち！ひがみを言う男子はモテないぞ！！｣


皆知らんぷりで誰も何も言わなかったのに、Aさんだけがソイツらを叱ったのだ。


『ち、違いますよ！』


『そうっすよ！』


｢あのねぇ、ただ"顔が良いから"ってだけで仕事が貰えるほど声優は甘くないと思うよ？｣


｢…というか声優に顔が良いも何もなくない？｣



それはいつも笑顔で可笑しなことを言うAさんの声とは違ってて。

怒られていない俺まで、背筋を正してしまったほど。


・・・・マズイ、このままじゃ俺のせいで雰囲気が悪くなる。そう思って入ろうとしたけど、Aさんは続ける。



｢声だけで演じるのが【声優】という仕事なワケで、顔がメインじゃないじゃん！やったね！私みたいなブスでも勝ち目あり！！やだ、声優ってステキ！！｣


中村｢おーい、自称ブスのAちゃん話が逸れてっぞー｣


｢・・・・やっちまった｣


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