第67話『突入』 ページ25
杏奈side
私は翼と上杉君の服の裾を軽く掴む。
ふたりがこちらを向くと、私は「この人が犯人」と言うように小さく頷く。
ふたりは緊張したような顔つきになる。
「どちら様ですか?」
インターホンから聞こえる周防望の声に、どうしようもない嫌悪感を覚える。
怯えるな。あの時の恐怖は乗り越えたはすでしょ。
私の心が弱かったせいで、KZのみんなにも沢山迷惑と心配をかけた。
大丈夫。今は上杉くんと翼がいる。
「──というわけなので、今から3人でお邪魔したいのですが、よろしいですか?」
「和典君だけならいいが、他の子達は・・・」
断られそうになるが、すかさず上杉くんが口を開く。
「そこをなんとかお願いできませんか。そういえば噂で聞きました。望さん、キャンプがお好きなんですよね?実は、今一緒にいる美門がキャンプに興味があって。けど初めてなのでアドバイスをしてもらいたいんです。お願いします」
上杉くん、息をするように嘘ついてるな。
相手の興味のある話題で気を引くなんて、さすがだ。
「・・・俺もこの後用事があるから、30分だけでいいなら。」
お、食いついた。
「ありがとうございます」
少しして、ガチャっと玄関のドアが開いた。
スウェット姿の周防望が、私たち3人を警戒したような目で見つめてきた。
「入れよ」
すごく嫌そうなのがひしひしと伝わってくる。
私たちは3人で声を揃えて言った。
「お邪魔します」
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マオ - 本当に面白くて好きな作品です。また更新してくださるのを心の底から願っています。 (4月25日 14時) (レス) @page36 id: 7f466015d5 (このIDを非表示/違反報告)
☺️ - 何度も読み直しました!ほんとに面白くて大好きです!!更新待ってます!頑張ってください (4月13日 15時) (レス) id: afc26fea88 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - どハマりしてしまいました!!応援しています!!! (3月27日 20時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
はなる(プロフ) - 更新ありがとうございます!何度も読み返すくらい大好きです!どうかご無理なさらずに、澪さんのペースで更新頑張ってください!楽しみにしています! (3月21日 15時) (レス) @page34 id: 8fca23518d (このIDを非表示/違反報告)
みぃあ(プロフ) - 何回も高評価したいくらい大好きです!!!頑張ってください! (3月20日 20時) (レス) @page32 id: 2f881ad2dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2022年5月9日 18時