第35話『独特』 ページ41
彩side
「あと、学校での神崎について、状況はどんな感じだ?」
若武に聞かれ、私は少し考える。
「やっぱり、噂を信じてる人からは、あからさまに嫌悪な態度を取られてるかな。でも、学校も休んでるし、これといって状況に変化はないよ」
休み明けは、学校に来るといいな。
「とにかく、当人である神崎がいないと、話も前に進まない。今は、神崎の復活を待とう。行動はそれからだ。黒木は、周防望について調べておいてくれ。いつ招集しても発表できるように、なるべく早くな」
黒木くんは軽く頷く。
「次に『連続通り魔事件』だけど、」
若武は一旦言葉を切り、少し考えてから口を開いた。
「今まで被害に遭った子たちに事情聴取をするのが手っ取り早いな。」
誰かが顔を見てたら、その特徴を教えて貰って、翼に似顔絵を描いてもらえばいいもんね。
「襲われた女の子の情報を持ってる奴、いるか?」
そういえばこの間、浜田中生の子が襲われたって、隣のクラスの男子が言ってた。
その事を思い出し翼の方をちらっと見ると、翼も同じことを思ったらしく、私の方を見ていた。
私たちは頷き合い、翼がサッと手をあげた。
「うちの中学の奴が1人、被害に遭ってる」
若武は、目をキラッと光らせた。
「それ、誰かわかるか?」
私、知らない。
でも、翼なら交友関係が広いから、知っているかもしれない。
期待を込めた目で翼を見ると、翼は首を縦に振った。
「俺、分かるよ」
さすが翼!
「じゃあ、その子を被害者Aとしよう。アーヤと美門に、被害者Aの事情聴取を任せた。他、誰かいるか?」
黒木くんが手をあげる。
「俺、2人知ってる。知り合いの友達なんだ。中2と中3らしい。住所と学校と名前も、バッチリ聞いといた」
黒木くんの情報網は底知れない。
「よし。中2の方を被害者B、中3の方を被害者Cとして、被害者Bを俺と小塚であたる。被害者Cは上杉と・・・やることが多いけど、黒木に任せて大丈夫か?」
黒木くんは、ふっと口元に笑みを浮かべる。
「余裕」
綺麗な微笑みに、思わずうっとりしてしまう。
黒木くんって、やっぱりほかの男子と違って、大人っぽくて色気があって、とっても素敵。
上杉君が、黒木君に目を向ける。
「ま、俺一人でも何とかなるだろうし、お前は周防望の方を優先させていいからな」
「もしもの時は頼む」
上杉君と黒木君の間にある空気は、いつも独特。
けど、二人を見てると、本当に仲が良くて、信頼しあっているのが分かる。
276人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
澪(プロフ) - ゆたんぽ。さん» えー!嬉しすぎます!ありがとうございます! (2022年4月19日 17時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ。(プロフ) - 初コメ失礼します。いや、面白すぎませんか?更新楽しみにしてます! (2022年4月19日 15時) (レス) id: 00d669ff5e (このIDを非表示/違反報告)
@白猫雪(プロフ) - 澪さん» いえいえ!本編も、オリジナルも、楽しみにしてるのっ! (2022年4月16日 20時) (レス) id: 23d1cff2e4 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - @白猫雪さん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも頑張って更新するので、よろしくお願いします! (2022年4月15日 23時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
@白猫雪(プロフ) - 更新楽しみ〜!KZのオリジナルめっちゃ好き!澪ちゃんも、更新頑張ってね! (2022年4月15日 21時) (レス) @page50 id: 23d1cff2e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:澪 | 作成日時:2021年10月26日 22時