第37話『自己犠牲』 ページ12
杏奈side
小塚くんは、真っ直ぐに私を見て口を開いた。
「合成カンナビノイドって、化学物質だよ。大麻の成分テトラヒドロカンナビノールをまねして人工的に作られたものなんだ」
つまり、合成カンナビノイドは人工麻薬ってことだ。
じゃあ、兵藤から預かったあの袋の中は、合成麻薬だったんだ。
「種類が6種くらいあって、その全部が指
定薬 物。危険ドラッグって呼ばれてるんだ。持ってるだけで、薬事法違反。逮捕されるよ」
私は目を見開く。
だって、さっき持ってたもん。５分くらいだけど。
「持ってたら、犯罪なの・・・？」
不安になり、声が少し小さくなってしまう。
「神崎、おまえ、そのひと言、何だ。まさか・・・」
若武くんに言われて、私は慌てて言った。
「私は一瞬持ってただけだよ。手鏡に臭いが付いたのは、友達から預かった袋と一緒にカバンに入れてたからなの」
私は、兵藤の名前を伏せて、みんなに自分がどうして危険ドラッグに関わったのかを説明した。
話を聞き終えると、若武くんが言った。
「事情はわかった。今持ってなければ、とりあえず大丈夫」
ほっ、よかった。
「だけど危険だからさ、」
黒木くんは、まるでお父さんみたいな口調になった。
「これからは正体不明の物を、やたらに預かっちゃダメだよ。たとえ相手が友達でもね。わかった？」
完全に黒木パパだ。娘になった気分。
でも、たしかに私、ちょっと不用心だったかも。
美門くんが、凛とした目をこちらに向ける。
「その友達って、誰？」
私は、名前を言うべきか迷ってしまう。
いちおう友達だし、クラスメイトだから美門くんも知ってるしなぁ。
「言えよ。そいつ、おまえのこと利用したんだぜ」
そう言いながらその目に強い光をきらめかせる。
「許すかよ！」
若武くんがちょっと笑った。
「おお美門、意外に熱いじゃん」
美門くんは、シラッとした眼差しを若武くんに向ける。
「友達を利用するなんて、男として最低でしょ」
私は場を和ませるためにヘラっと笑う。
「別に私は怒ってないよ。利用された私にも問題があるし」
それで話を終わらせようとしたんだけど、美門くんに睨まれ、私は口を閉じた。
「そうやって、いつも自己犠牲で終わらせようとするの、神崎の悪いところだよ」
別に、自己犠牲っていうつもりはないんだけどな・・・。
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？かなかな - よろしくお願いします！澪さん！美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん！美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (
レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ？かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です！美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
？かなかな - 凄い！見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた！ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか？「みお」とかですかね？それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる？ (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう！今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました！喜んでもらえて嬉しいです！ (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん！最高、神レベルの最高！！！！！きゅんきゅんだよお！！最近いっぱい更新してくれてありがとう！！楽しみにしてますっ！！！！！ (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年7月6日 22時
