第21話『KGB』 ページ4
杏奈side
大きなストライドで近寄ってきて、椅子の背に手を伸ばすと、ガタンと音を立てて引き出し、そこに座って私たちを見回した。
「すげぇことになったよ」
こんなに活気づいた顔の黒木くんを始めて見た。
どうしたんだろう?
「これは、ただの窃盗じゃない」
えっ!?
「赤い仮面って、どうもどっかで耳にはさんだ気がしたから、アメリカのサイトを調べてみたんだ。出てきたよ。宝飾品窃盗団MASQUE ROUGEだ。アメリカとフランスから逮捕状が出てて、国際刑事警察機構が国際手配している大窃盗団だよ。世界中に200名のメンバーがいるって言われてる」
若武くんが叫んだ。
「すげぇ!サインもらっとけばよかった」
あはは・・・そういう反応ですか。
「賞金もかかっている。アメリカとフランスの司法当局が出しているのを合わせると、日本円換算で17億円だ」
上杉くんが、高い口笛を吹いた。
「超ゴージャスじゃん」
そんな犯罪者集団に襲われたの・・・?
今更になって、あの時の恐怖がどれほどのものだったか理解する。
「それ、どういう組織なの。リーダーは?」
美門くんから質問されて、黒木くんはわずかに眉根を寄せた。
「はっきりしてないみたいだよ。今までアメリカや、フランスを中心としたヨーロッパで宝飾品の窃盗を重ねてるんだけど、誰一人捕まってなくて全貌が分からないらしい」
それはそれでもうすごい。
「わかっているのは、赤い仮面をつけて宝飾品店を襲うってことぐらい。手口がすごくあざやかだから、特殊訓練を受けた連中じゃないかって言われてて、KGBのアルファ・チームの残党じゃないかって噂がある」
その瞬間、男子4人は、突如として目を輝かせた。
「アルファ・チームかぁ!男の憧れだよな」
「だけど、それって、まだあるのかよ。崩壊したんじゃね?」
「ん、今はないと思うよ。チームの残党なんじゃないかな」
「どっちにしても、すごいよ。今にテレビや新聞も気がついて、騒ぎ出すだろうな」
私と彩ちゃんは分からなくて、2人でキョトン。
すると、黒木くんが教えてくれた。
「KGBっていうのは、旧ソビエトの国家保安委員会のこと。情報機関で秘密警察として機能してたんだ。アメリカでいうCIAみたいなものだよ」
ほうほう。
「創立当時はチェイカーと言われてて、その後、KGBになったんだけれど、1991年に解散している。ちなみに今のロシア大統領プーチンも、KGBの出身だよ」
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澪(プロフ) - 紗奈#さん» ありがとうございます! (2020年7月26日 16時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈#(プロフ) - 続編嬉しいです!頑張ってください!! (2020年7月26日 11時) (レス) id: 6ea719cde4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2020年7月26日 0時