笑顔の仮面は知っている【探偵チームKZ事件ノート】

第23話『黒木の興味』 ページ24

彩side


私は、杏奈ちゃんをみんなの所に連れていく。

杏奈ちゃんは恐縮したように背筋を伸ばしている。

緊張してるのかな？

「黒木くん、連れてきたよ。私と同じクラスに転校してきた神崎杏奈ちゃん。明るくてクラスでも人気者なの。」

私の紹介に、杏奈ちゃんはそんなことないと言わんばかりに首を横に振る。

「アーヤ。俺たちの自己紹介も、お願いしていい？」

黒木くんに言われ、私は頷く。

「杏奈ちゃん。この人たちが、私と一緒に探偵チームをやってる仲間だよ。右から、黒木くん、上杉くん、小塚くんだよ。」

私がそう言うと、杏奈ちゃんはハッとして口を開いた。

「黒木くんは対人関係のエキスパートで、若武くんと同じサッカーチームKZに所属してる。上杉くんは『数の上杉』って言われるくらい数学が得意で、黒木くんと若武くんと同じサッカーチームKZに所属してる。小塚くんは理社が得意で、『シャリの小塚』って言われてる。美門くんがつけてるマスクを作ったのも、小塚くんだよね？」

そんなに知ってるんだ。

翼と仲がいいから、色々聞いてるのかな？

「美門くん、みんなのことすっごく嬉しそうに話してくれました。」

黒木くんが、杏奈ちゃんに興味ありげに口を開く。

「そんなに俺たちのことを知ってるんだ。なら、俺達も君のことを知りたいな。君のことを教えてよ」

艶やかな瞳で見つられ、杏奈ちゃんは少し硬直する。

「紹介するほどの自己がないので・・・」

ああ、消極的になってる。

それにしても、黒木くんが興味を持つなんて珍しい。

何かあったのかな？

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