警察庁の降谷さんは今日も当たりが強い！【降谷零】 (ページ6)

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六話ページ6

「Aさんおはようございます。５分前集合ですね」

翌朝、風見さんと落ち合ったのは警視庁ではなくその近くの日比谷公園の駐車場。

私が配属されたのは丁度風見さんが属する警視庁公安部だったから、てっきり本庁に出勤するかと思ってたけど、仕事内容が風見さんの手伝いということで暫くは行動を共にすることになったのだ。

「おはようございます風見さん。仕事ではきちんと時間を守るので。昨日の書類もやっとの思いで全部目を通しましたよ」

本っ当に大変だったんだから！

昨晩は工藤邸に泊まらせてもらって、夜通しで大量の書類を確認した。

そのせいか寝ても漢字、ひらがなの羅列が襲ってくる悪夢を見てしまい、あまりよく眠れず。

お陰で初出勤から寝不足よ。

「お疲れ様です、流石FBIの捜査官なだけはありますね。どうぞ車に乗ってください」

「ありがとうございます」

社交辞令だろうが風見さんの気遣いにジーンと心を打たれる。

昨日……頑張って良かった！！

降谷零もこれぐらいの心の余裕を見習えばいいのに。

昨日のことをまた思い出してムッとしつつ、風見さんに勧められたスカイラインの助手席に座って仕事内容を確認する。

「昨日の書類で確認いただいたように、基本的には我々公安が追っている危険人物の監視や尾行、情報集め、協力者とのコンタクトですが、降谷さんから指令が出たらそっちを最優先に動きます」

「わかりました。私は風見さんのサポートをしますね」

口先ではそう言ったものの内心では、グッ、降谷零のパシリか……とげんなりしてしまう。

それを聞いただけで一気にやる気が失せるし、何なら思い出したくもない。

そんな私の胸中を察したのか、風見さんが口を開く。

「ま、まあ最初は無茶振りの多さに慣れないかもしれませんが、自分もついているので。それにあの人は本当に凄い方なので近くで見ていて学べることも多いと思いますよ」

「あはは、だと良いんですけどね～」

打倒・降谷の意識のせいで一発お見舞いしないか自分が不安なんですよ風見さん。

なんて、奴を尊敬している風見さんには言えない。

内心溜息を吐いた瞬間、風見さんのスマホが鳴った。

「もしもし」

スピーカーモードにして聞かせてくれる。

朝っぱらから電話とか誰だろう。

相手はすぐわかった。宛先には……

「風見と……そこにFBIもいるな。至急頼みがある」

出たよ、降谷零が。