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二十話-1 ページ23

現場付近から高速道路に乗って20分弱。


警察庁にはあっという間についた。


夜遅くでも警備の人は当たり前にいて、流石日本の警察を監督しているだけはあるなと感心する。


同時に日本の権力の中枢に踏み込むことに若干緊張も覚える。


「本当にここに入っちゃっていいんですか?」


「なんだ、悪さでもするつもりなのか」


そんなわけないでしょう!と言うと降谷零は笑って


「冗談だ。そんなに気張らなくていいし、君が来ることは上には伝えてある」


と言って、そそくさと入ってエレベーターのボタンを押す。


ったく、こっちは大真面目なのに。


降谷零に続いてエレベーターに乗り込み警察庁の階に移動すると、深夜なのに人がちらほらと歩いていた。


どの人もただならぬ雰囲気を放っており、捜査の手練れであることを物語っていた。


おっかないな〜なんて思いながら歩いていると、やはりよそ者は警戒されるのか、ちらちらと目線を送られる。



どこか探るような目線に居心地が悪くなって来た時、降谷零が会議室のような場所へと私を案内した。


「そこへ座ってくれ」


指し示された椅子に座ると、私の席の前の椅子に座って丁度一つの机を挟む形になった。



あれ?取り調べっぽくない?



と思う私をよそに、降谷零が口を開く。



「今日はご苦労だった……と言いたいところだが、ちょっと気になったことがあってな」



「気になったこと?」



私の言葉に頷き、捜査のあらましを話し始めた。



「僕たちがさっき追っていたのは左翼の危険グループの一つで、最近手を焼いていた一味だったんだ」



何となくそれは薄々察していた。



公安の捜査員を道連れにしようとしたり、銃器を密輸しようとしたりするところとか特にね。



「でもまぁ、うちの後輩がそこに潜入しているっていうのもあるしそれはすぐに解決するだろう」



「やけにあっさりですね」


「論点はそこじゃないからな」



一呼吸置いて続ける。



「海上保安庁から連絡が来たんだが、結果だけ言うと船を取り囲んだ時に外国人達の船が爆発炎上したんだ。浅瀬ということもあって武器は海保が全部回収できたそうなんだが、5人の男の内4人は爆死。1人は意識不明の重体で今警察病院に搬送されているそうだ」


そんな。


「密輸を計画するほどだ。組織的犯行に違いないが、過去の事件を調べてみてもその組織による日本への密輸と思われるものが出てこなかっただろ」



あの過去の捜査資料を漁ったやつか。

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小夜時雨(プロフ) - 二十八話と二十七話アップする順番間違えちゃいました……(__)その前から読んでいただければ楽しんでいただけるかと(^^) (2021年4月1日 0時) (レス) id: f0aebf3cd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小夜時雨 | 作成日時:2021年3月7日 11時

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