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十九話-1 ページ21

男二人は生きているのか。



自分が命を懸けた意味はあったのか。



降谷零がスピーカーで捜査員に男達の確保を指示する声を聞きながら、ガードレールに追突したワンボックスカーを見てぼんやりする。


一歩間違えてたら、私は死んでいただろうな。



自分の呼吸の音を聞きながら、改めて「生」を実感していると。



「おいFBI。大丈夫か」



頭上の降谷零の声にハッと現実に引き戻される。



見上げるとすぐ間近に顔があって思わず「うわっ」と驚いてしまった。



そういえば、この人の腕の中に飛び込んだんだっけ。



その事実に急に恥ずかしくなり、目を逸らす。



それに対して降谷零は。



「どこか怪我してないか」



本当に心配している声色。



いつもこんなこと言わないのにな。



なんか調子狂う。



「大丈夫ですよ、多分」



とはいえ。



一歩間違えていれば死んでいたという現実は思っていたより怖い。



思わず自分の腕をぎゅっと引き寄せると、降谷零が背中をさすってくれる。



「無理するな、一歩間違えていれば死んでいたんだ。色々後で言うことはあるが、今は取り合えず休め」



いつもと違う優しい態度に困惑しつつも、もう少し甘えていたいななんて思ってしまう。



……ってこの降谷零に?



そう思うと段々恥ずかしくなってくる。



思わず「もう大丈夫ですから」と言おうとした瞬間。



「脚から血が出ているな。ちょっと見せてみろ」



そう言って降谷零は私を横抱きにする。



「は?」



思わず照れたのも束の間、降谷零はそのまま一旦運転席から立ち上がり、私を再び運転席に横向きに座らせる。



びっくりした……一瞬何されるのかと思った。



若干ドキドキしつつも、自分の脚の状態が気になる。



目を向けると左膝から脛にかけての部分のタイツが破けて血が出ていた。



大方ワンボックスカーのフロントガラスを割った時に切ったといったところか。



さっきまでは全く感じなかった痛みが、怪我をしたと認識したことで急に痛み出す。



「いった〜」



「浅い切り傷だな。他に怪我したところは……」



男達とバトルロワイアル繰り広げていた時には気づかなかったな、ほんと。



そう思いながら私の前に跪いて足首を掴んで怪我の確認をする降谷零を見下ろしていると、視線を感じて顔を上げる。



すると、ワンボックスカーから男達の運び出しやその後始末をしている捜査員達がこちらをチラチラ見ていることに気づく。

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小夜時雨(プロフ) - 二十八話と二十七話アップする順番間違えちゃいました……(__)その前から読んでいただければ楽しんでいただけるかと(^^) (2021年4月1日 0時) (レス) id: f0aebf3cd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小夜時雨 | 作成日時:2021年3月7日 11時

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