警察庁の降谷さんは今日も当たりが強い！【降谷零】 (ページ19)

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十七話ページ19

同時刻。東都湾海上にて。

小型漁船はハイスピードで航行していた。

『だから俺は信用できないって言ったんだ！』

『うるせぇ！今そんなことを言ってる場合か！一刻も早くここから去らねぇと……』

お台場の港やコンテナがどんどん離れていく。

外国人の男たちは甲板で焦っていた。

『おい、もっと早くスピード出せねぇのか！』

『こんなチンケな漁船じゃこれが最大スピードなんだよ！』

操縦席の男がそう答えるものの、違和感を感じていた。

おかしい。

陸上には公安の捜査官がいたのに、なぜ誰も俺たちのことを追って来てないんだ？

……まさか。

その瞬間前方右の埠頭から大型漁船が３隻出てくるのが見えた。

『なんだあの船は！……うっ！』

眩い光が甲板に降り注ぎ、男たちがたじろぐ。

辛うじて一瞬見えた船の側面にあったのは……"JAPAN COAST GUARD"。

海上保安庁だ。

「そこの漁船、お前たちは既に包囲されている。大人しく我々に従いなさい」

アナウンスと共に後ろには海保のボートが現れる。

『まずいぞ、何とか逃げねぇと！』

『銃使っても追い払えねぇぞこれ！……ってお前、こんな時にどこに電話してるんだ！』

『ちょっと黙ってろ！……はい、ボス。……ええ、残念ながらあの場にはいませんでした……必ず見つけ出しますよ……え？それはどういう……ってちょっと、おい！！』

電話をかけていた男の顔が青ざめる。

『お、おいどうした？』

『やべぇぞ……ボスは俺たちを始末するつもりだ！早くこの船から飛び降りねぇと！』

その瞬間、船は木っ端微塵に爆発した。