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十二話 ページ14

「風見さん大丈夫かな……」



私は今、新木場にある警視庁術科センターの射撃訓練場で風見さんの説教を待っている。



昨日あの後、降谷零に「酒の匂いをさせて仕事に来るつもりか」などと嫌味を言われながら滞在しているホテルまで送られた。



普通に「休んでから来い」って言えばいいのに。



おまけに車内で男たちにバレないように出てくるやり方もあっただろなんて説教される始末。



お陰で気分は最悪。



まぁいつもの事だけど!



「それにしても日本にもこんなところがあるんだなぁ」



日本はアメリカと違って銃社会じゃないから、街中に射撃場がないのは分かっていただけに少し意外な感じ。



これが警察の権力ってやつ?なーんて。



暫く待っていると、入り口の扉が開けられて2人が入ってくる。



「待たせたな」



「はい待ちました」



危うく寝ちゃうところだったわ。



「こういう時は嘘でも待ってませんって言うものだけどな。日本語勉強しろ」



へぇへぇ分かりやした〜。



今日も当たりがお強いようで。



降谷零の嫌味を受け流しつつ、風見さん相当怒られたんだろうなーと思って彼の方を見ると案の定。



しょぼーんとした顔になっている。



項垂れたワンちゃんみたいで可愛い。



「さてと。今日は風見の銃の腕の確認の為に来たわけだが、ついでに君の腕も見たいと思って来てもらった。銃社会とあの赤井のいるFBIとしての賜物を見せてくれないか」



まじか。



「でも私、そこまで突出して上手い方じゃないですよ」



私の腕は数多くのFBI捜査員の中でも赤井さんほどずば抜けてるわけでもない。



丁度平均と言ったところだろうか。



「ああ、FBI本部から聞いて把握している。純粋にFBIという組織の射撃の水準を知っておきたいだけだから気にせず打つといい」



それはかなりの情報漏洩なのでは……?



それといつの間にか私についての情報も得ているし。



あれ〜?私の人権どうなってんですか、本部の方々〜?



同時に降谷零のこういう抜け目のないところを若干恨めしく思いつつ、渡されたリボルバーを受け取る。



ひんやりとした鉄の感触に久しぶりに持ったな〜という懐かしさと、いつでも人を殺傷できる重みも感じる。



本土では赤井さんに「メンテナンスも兼ねて一週間に一度は打っておくように」なんて言われてたっけ。



的を見て照準を合わせる。



これぐらいの距離だったら……。



私は引き金を引いた。

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小夜時雨(プロフ) - 二十八話と二十七話アップする順番間違えちゃいました……(__)その前から読んでいただければ楽しんでいただけるかと(^^) (2021年4月1日 0時) (レス) id: f0aebf3cd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小夜時雨 | 作成日時:2021年3月7日 11時

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