038-SG ページ38
＊
「……緊急保健医襲撃組?」
「こちらユンギ。作戦抜けてんなら加勢とかされないように早めに叩いとこうってなって。
物理系2人を行かせた、こっちはあっけなく終わったから上に一緒に縛っておいてる。
お前らも、早く戻ってこい。」
疲れたようなグガの声に答えると、安心したようなため息が聞こえた。
「……流石ですねユンギヒョン。俺たちも戻りましょう。」
「おー、遅かったじゃねぇか。
で?なんでジニヒョンはチェAを抱えてるんです?」
「僕のバリアとジョングギの黄金化の反動食ってもらったから。
先生に首も絞められてたし、ね。」
どれどれ、と降ろされたAの顔を覘くと確かに少し息が乱れてる。
両手を握ると左手が結構強張ってたので気休め程度にマッサージもしといてやった。
「ユンギヒョ〜ン!セットできたよ、目ぇ覚めないうちに燃やしとこ。」
楽しそうなクオズの声に目をやると、電圧盤のすこーし離れたところにこれでもかと縄で縛られた教師ども。
ギリギリ燃えないだろうが、救助が遅ければ分からない、位だろうな。
「おー、じゃあ派手にやるか。
一斉に着火剤に火をつけろ!逃げるぞ!!」
言うが否や各所にぶち撒けた着火剤に火が放たれ、大きな轟音と共に一斉に火が広がる。
「わー凄い!じゃ、逃げましょ!!」
楽しそうなテヒョンアを先頭に、みんなが下へ降りていく。
俺以外が全員降りたとこで、ふと火の方を見た。
恐らく音で目が覚めたのだろう、保健医と目が合った。
ガムテープで塞がれた口で何かを言ってきたが、生憎俺の情報閲覧では全く分からない。
「ハッ……燃えてんなぁ、このまま燃えちまいな。」
屋上から下に繋がるドアを抜け、随分前に盗み出したカギを使って丁寧に閉めてやった。
下に降りると、一度気絶したことで保健医の能力、薬剤支配の切れた放課後活動中の生徒たちが焦ったように逃げようとしていた。
その時、火が電圧盤に届いたのか激しい爆発音とともに学校中の電気が落ちた。
至る所で上がる悲鳴。
「急げよ、生きたいなら早く降りて逃げろ。」
教室内でしゃがみ込んでいた吹奏楽部員らしき女生徒たちに声をかけ、俺も走って昇降口まで下りる。
校舎の外まで出たときには、アイツらが校門の外で待ち構えていた。
「ヒョン遅いですよ!」
「わりぃ。……全員、無事にいるな?」
見渡すと、それぞれワイワイと返事が返ってくる。
「じゃ、帰ろっか!」
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