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＊
そのことなんだけど、と続けられる。
「警戒してる。
お前が学校側の人間なんじゃないかって。」
告げられた内容に思わず笑ってしまう。
「そんな馬鹿な。
私だって卒業後は人間兵器ですよ。」
「そんなこと言うな。
何の為に俺達が薬を飲むふりをしたと?」
辿り着けるのは1つの可能性。
「まさか、ここから逃げるつもりで?」
しかし返ってきたのは予想の
遥か斜め上をいっていた。
「いや、そんな面倒なことしない。
あの大人達をぶっ飛ばした方が
どう考えても早いだろ。」
早いって……
「そんな、無茶ですって。
『指導』を喰らって終わりますよ?」
「そんなのやんなきゃ分からない。」
この『指導』というのは、所謂罰。
他の生徒も、薬が入っているとはいえ
忘れ物をしたりなんだり、あると思う。
そういった時に先生から呼び出され、
罰として苦痛を浴びせられる。
勿論そういった処罰専用の教員が存在しており
拷問級の能力を持っているとか。
「って、お前。
なんで『指導』の存在を知ってる?」
なんで知っているのか。
「それはまだ言えないです。
勘違いしないでほしいのは、
私はあなた達の邪魔や妨害はしません。
しかしあなた達の側につくとは言っていません。
この意味、分かりますね?」
「末路は俺たちと同じ。でも大人の方に従う。
そういうこと?」
利用されてるだけだろ、と吐き捨てられる。
そんなこと私が1番わかってるんだよ。
「えぇ、その通りですね。
そろそろもう帰宅してもいいですか?」
少しだけ、イラッとしたので
目をそらすべく屋上を見渡す。
すると気が付けば私達2人以外誰もおらず。
「はぁ…悪い。怒らせた。
送ってく、家途中まで一緒だから。」
体の悪そうな顔で頭を搔くジョングクくん。
やっぱりただのいい人じゃないか。
「あぁ…いえ、ありがとうございます。」
「…なぁ、それやめない?」
帰り道を2人で歩いていると、
ふっとジョングクくんが口を開いた。
「それ、とは?」
「俺らタメじゃん。
敬語とか、いい。呼び方も、グクでいい。」
どういう心境の変化なのか、それとも単に
よそよそしいのが気に入らないのか。
分からないけど、やけに真剣な顔。
「…分かった。
じゃあグクくんからで、いいかな?」
「別に。」
ふいっと顔を背けられる。
よく分からないがいいということだろう。
彼の感覚には少し独特なルールがあるようだ。
それもこれから知っていけたらいいだろう。
「じゃあ、グクくん。また明日。」
「うん。」
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