Blindly Obeys (ページ11)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:39,890 hit

011 ページ11

＊

「と、言いますと。」

「アイツらは私達の言うことにやたら歯向かい、
その上あることないことを
様々な生徒に吹聴してまわる癖がある。

他の者は既にここのことを熟知しているため
問題はないが、お前は違う。
まだここに来て日が浅いから、目をつけられて
いらぬ噂を吹き込まれるやもしれん。

だから、アイツらの言うことは真に受けるな。
いいか?」

そこで頭の中に1つの線が繋がる。
ジョングクくんの言っていた、
記憶が置きかえられるカプセルの話。

他の生徒はそのせいで
ロボットみたいになってるから大丈夫だが
私は飲んでいない。
つまり彼らとともに
学校側に牙を剥く可能性がある。
そうなってしまった場合、
私は能力を無効化できる。
その為学校サイドにとって、私は
大きな脅威になるだろう。

ふん、杭は出る前に打っておこうって訳か。

「勿論です。
ご忠告、ありがとうございます。
危うく、彼らに利用されるところでした。

彼らの言うことに耳は貸しません。
これで大丈夫でしょうか?」
心配しなくても私あなた達に逆らうなんて、
そんな命知らずな真似しないのに。

「あぁ、それでいい。

ちなみに今までになにか吹き込まれたことは?」

うーん、薬のこととか?
でも言ったら飲んで忘れろコースだよな。
分かってるんだよ。

「いえ、特に。
この学校の閉門時間が
19時であることだけです。

この情報は本当なのでしょうか?」

「あぁ、それは本当だ。

今後も何か怪しい情報を得たら
私に教えること。いいな?

お前程の能力を持つ人材が、
あの不良共に利用されては敵わないからな。」
はは、と優雅に笑う先生。
先生あんた分かりますか、
今自分めっちゃ悪人顔しとりますよ。

私を利用しようとしてるのは学校サイドで、
まず間違いないな。
でも他の生徒は歯向かわない。
つまり利用用途は
あの7人組の始末か更生だろう。
ふーん。

「はは、ご冗談を。

それでは、私は次の授業の予習もありますので
これで失礼します。」

そのまま屋上に行きみんなに報告
──なんてする訳はなく教室に足を進める。

まぁそもそも彼らがどうなろうと、
私の知ったことではない。
偶然屋上で出会って偶然部員になっただけの仲。
そんなことをして私の命を縮めるなんて、
私は絵本の中の正義のヒーローじゃないんだし。

薄情だと、そう思われても仕方ない。
結局は我が身が1番可愛いのだ。