【歌い手】ライブやイベントに一切出演しない爆発的人気を誇る歌い手が逆ハー(乙女ゲー)を回避しそこねそうになる話

六十七話 されど学校 ページ26

それは、1本の電話のことだった


prrrrrr


prrrr


『はい、椿ですが』


《あ、もしもし？____高等学校の3-Aの担任の、浅原と申します。椿Aさんでいらっしゃいますか？》


『………はい』


《あ、良かった！椿さん、学校こないと留年ですよ！》


『………』


は？


『詳しく、お願いします』


《ええ、椿さん成績はすべてオール5でしょう？けれど、出席率が足りていないのよ》

『保健室にて通っています』

《それすら足りていないの》

『足りていない？』

《頭は良くても出席率が足りていないと、留年になっちゃう仕組みなの、だから今日からでもいいから来t》


ツーッツーッ


カチャ


『成績良いから行ってないだけなんだけど』

あの先生は何がしたいんだろう


昨日遅くまでまた新しい曲を作っていたら、気づいたら朝の10時まで寝てしまった

別にサボる予定だったからいいけど、この調子だったら明日も来い来い電話が来るから行ってやるか

『……憂鬱すぎ』


_____ _____


マーガリンが塗ってある食パンを咥える

いつの時代の少女漫画を再現してみようとかくだらないことを考えて、走ってみる

『もぐもぐもぐ』

開始早々、今思ったのが


走りながら食べるのって難しい

息が切れるし、パンは粉っぽいし、少女漫画の子最強だなとか関心した


そしてお決まりの出会い頭の前に私はゆっくりと歩きながら食べる

もうちょい遅く行けばいいなとか思ったら、


ドンッ



『もぐもぐ』

ま「あれ、Aちゃん」

『ﾓｸﾞﾓｸﾞ…………ふぅ、おはようございます、まふまふさん』

ま「ん、うん？おはよう」

『これからお出かけですか？』

ま「あーまぁ、打ち合わせかな」

『そうですか頑張ってくださいね』


慣れない頑張れをまふまふさんに言ったところで、現に頑張っているし、全然大丈夫だろうけど、社交辞令として言う


ま「✿ﾟ❀.(*´▽`*)❀.ﾟ✿」


『……』


元気になった


ま「これから学校？体調悪かったの？」

『いえ、出席率が足りずに学校から呼び出しを喰らいまして』

ま「そ、そっか、Aちゃんならきっと大丈夫だよ！」

『別に人見知りとかじゃないんで平気ですけどね、ありがとうございます』

ま「あ、じゃあ行くね！また遊ぼうね！」

『さようなら』


ま「………((相変わらず冷たいなぁ…))」


まふまふさんの女子力に私は別に羨ましとは思わなかった
※ツンデレではありません
※ツンデレではありません(大事なことなのでry)

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