【歌い手】ライブやイベントに一切出演しない爆発的人気を誇る歌い手が逆ハー(乙女ゲー)を回避する話

十三話 保健室の先生 ページ14

キーンコーンカーンコーン

『ふぅ』

いつものようにベッドにごろり

特に何もすることはなく、そういえば先生がいないなとしか思わない

しかし昨日の放送

まだ悩むところはあるけれど、自分なりの決意でもあるので間違ってはいないけど…

人と関わるのが嫌なんて言ったら誰だってこいつなんやねんってなるから言わなかったけど


カーテンは軽やかに風に乗って仰いでる

私もそんなふうになれたらな…


窓を見つめていると、体育をやっているうちのクラスが見えた

わ、これは面白そうだな…


「一緒にやりたい？」


見ているのに夢中になっていて新しい先生が来ていることなんてわからなかった

『え、あの、誰』

「えっとー佐伯先生の代わりに来ました、天宮翔太って言います。君が、保健室通いの子？」

『……はい』

同姓同名なんて言葉もあったな…

なんて現実逃避しようとする私をこの人は逃してくれなかった

「なんでも話してね」

不審感しかないその言葉に近づくことはなく、ただ真っ直ぐに

『嫌です』

とだけ返した


なんだこの人

まるで天月さんではないか

ワニワニパニックならぬ脳内パニックを起こしながらも久々の教室に行くため保健室を出た


天月さんであろうとなかろうと、新しい先生は私にとっては苦手な人の項目に入った

十四話 爽快に…？→←十二話 生放送

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す