貴方の3分を下さい。【鬼滅の刃×短編集】

★ねじれの関係【霞】 ページ16

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#時透無一郎#現パロ
#学生の２人#ありがち展開

※今後中編小説として執筆予定のネタ。
出さない予定でしたが他ネタが見つからず…。



『…無理』


「……だよね」




校舎裏に呼び出されて、まさかと思った。
だけど同時に確信した。そんな訳がない、って。

私と時透くんは決して交差しない関係だから。




『なんで…、彼女さんは？』


「…別れたんだ。好きじゃ、なかった」




もう２年くらい前かなぁ。
「理想のデート」を聞かれたことがあった。

物凄く期待した。
なのに彼が見ていたのは私じゃなかった。
私のとなりの、親友だったんだ。


泣いて、叫んで、また泣いて。
積み上げた思いを浄化する間、凄く辛かった。

すぐ傍にいる２人を見る度、
消した思いがまた止まらなくなった。





「ごめん。 でも、友達でいてほしい」





失恋した後に聞いたその言葉。
私じゃなくて彼女のための言葉だった。

最後のお願いを聞いてあげたい一心で、
辛くても【友達】は貫き通した。


そんなに苦労して、やっと忘れてきてるのに。

どうしてまた蒸し返すようなことをする？
あんなに協力したのに、別れたの？
アドバイスした時の私の涙は何だったの？




『…今更、好きって言われても』




好きな人はまだ、時透くんのまま。
私の時間は２年前から１度も動いていない。

だけど、今更虫が良すぎないか。
私にもプライドっていうものがあるんだ。


あんなに惚れ込んでいたくせに。
「好きじゃなかった」って、ふざけてるのか。




『奪われたとはいえ、私の親友なの。
そんな中途半端に２年間もやってきたの？』


「…別れたのは、付き合って３ヶ月した時」




ちょうどあの夏頃か。

私が２人にプールのチケットをあげた時、
既に２人は別れてたってこと…。




「言われたんだ。
僕の好きな人は私じゃなくてAでしょって」



「気づいてたんだ、君に告白された時には。
でもどうしようも出来なくて迷ってた」



「別れよう、って言ってくれた。
でもなかなか言えなくて、今になっちゃった…」




私はずっと【友達】を演じてた。
親友を応援する【良い友達】に徹してた。

苦しかった。
嫉妬でしかない気持ちが渦巻いて。


でも、私はあの子に同じ思いをさせたのか。
絶対に言えない感情を抱えることがどれだけ辛いか、私には痛いほど分かるのに。




「…今更付き合ってほしいなんて言わない。
だけど、もう会えないから、伝えたくて」

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