虹【NK】３rd (ページ24)

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K side

小学生のAが持つにはデカすぎて

「どうしよう..グスッ...この子息してない..」

子犬の頭から血が出ていて
Aの手にも服にも血がべっとり付いていた

確信があったわけじゃない

多少Aより体格のいい俺がその柴犬を持ち
左手でAの右手を握りしめて「大丈夫」と言った

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近くの動物病院まで運んで

治療されている柴犬を待ち続けた

Aは終始俺の手を離さなかった

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治療が終わったのか

中からとても優しそうなおじさんが出てきた

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俺たちに目線を合わせるためにしゃがんで

「君たちのおかげでワンちゃんは助かったよ」

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その時、Aは大声で泣き出した

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本当に泣き止まなくて俺も困ったなー、あの時

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その柴犬は勝手に家から飛び出して迷子になってたらしい

偶然にもこの病院がかかりつけだったらしく

迎えにきた飼い主さんが俺たちを見つけては涙ながらに

「ありがと...」と俺たちの手を優しく握りしめてくれた

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「ねえ、あの子の名前なんていうの？」

お姉さんはにっこり

「蘭(ラン)っていうの」と笑った

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そうだ、この日以来かも

Aがこんなに泣くの見たの