14 At the bar ページ15
カランカラン…
A: あら、嶋田さん。今日は早く上がれたんですね。
ウチの店は比較的ひっそりとしてる場所にあり休業日はFBIの仕事によってだから不定。
そんな営業状況でもミステリアスな店だとかで常連のお客様もちょこちょこ。
嶋: そうなんだよ。久々にこの時間でね。
A: たまには家族サービスもしてあげてくださいね。
嶋: 明日は家族3人でトロピカルランドだよ。娘は張り切っちゃって今朝からバタバタしてたよ。
A: 可愛らしくて良いじゃないですか。
まぁなと呟く嶋田さんの顔はやはり父親で娘が可愛くて仕方ないらしい。
ヴーヴー…
A: あ、ごめんなさい。緊急用の連絡かしら。
珍しく仕事の時間に鳴るスマホのバイブ。
A: 秀?もしもし。
赤: 『A、これはお前とジェイムズにしか知らせないから秘密にしろ。これから来葉峠に行くが俺の事は死んだ事にしてくれ。2週間後にお前の家に行く。それまでパガニーニでも練習してて待っててくれ。』
A: な、どういうことよ!
余りにも一方的な電話で返事をした頃にはすでに切れていた。
でもまぁこれから何か起きるんだろうけど彼が無事で済むことはわかった。
嶋: なに?結構深刻そうな連絡?
A: 大丈夫みたいです。私が混乱しないように前もって言伝してくれただけです。
ふーんと空返事なのは当然のの事。
暫く世間話をしているとパトカーのサイレンが聞こえてきた。消防車や救急車まで。
嶋: なんだなんだ?火事でも起きたか?
A: 冬は乾燥の時期ですしね。
嶋: うわ!なんか来葉峠で車が爆発したらしいよ。今SNSで話題になってる。
来葉峠…この事件は秀と関係が?
彼があんな電話をしてきたんだから恐らくそうなんだろうけど。
嶋: もうニュースにもなってるんじゃね?
そう言われて店のテレビをつけるともうすでに中継されていた。
アナ:『爆発したのは黒のシボレー。中から男性の焼死体が発見されました。』
黒のシボレーはきっと秀の車。でも遺体が秀じゃないなら一体…
考えても仕方ないし2週間後彼が来るのを待とう。
バイオリンのメンテだそかな…
パガニーニとかレベル高いのリクエストしやがって…
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作者名:リツカ | 作成日時:2016年8月29日 23時