＊マイガール６＊ (ページ26)

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＃271 ページ26

付き合わないって決めたくせに、『泊まっていいか』っていう彼女の言葉に嬉しさを隠しきれず、すぐに「いいよ」って言っちゃった。

ほんと、ダメだなおれ。

土曜日の朝、『今から行くね』ってLINE。
友達と会う前に、おれに会いに来てくれるっていう彼女に愛しさが込み上げる。

きっとおれがあんなこと言ったから、安心させようとしてくれてんだろうな。

年下のあの子にそこまで気を使わせるおれって…まじ、情けねー(笑)

ふたりでヤイヤイ言いながらコンビニで買い物をして、明日の朝使うっていう食パンと牛乳を見て、あーマジで泊まるんだって嬉しくなった。

買ったものを片付けながら、今日の晩御飯どうする？なんて聞かれると…ヤバい、新婚みたいじゃね？なんて、少し照れる(笑)

お泊まりセットが入ってるであろう手荷物。
そんな頻繁に泊まりになんて来ねーんだから、って思ったんだけど。
彼女の存在を家の中でも感じていたくて…
クローゼットの中を片付けて、そこに荷物を置いておくように言った。

恥ずかしそうに…でも、嬉しそうに鞄の中身を片付けていくAちゃん。

あーーー、やっぱ行かせたくねー

そんなことを思いながら、時間いっぱい彼女を腕の中に収めて過ごす。

『先生、苦しい…』

「ふたりの時は、先生って呼ぶなよ」

『………』

なにも言わない彼女をもっと強く抱き締める。

『さとくん…苦しい』

「もっかいよんで」

『さとくん、さとくん、さとくん』

ムキになって何度も呼んでくる、そんな彼女が可愛くて…

「A…好き」

顔が真っ赤になる、そんな彼女が可愛くて…

「A…好き」って何度も言った。

そしたら、『さとくん…大好き』って何度も言ってくれた。

『もう行かなきゃ』って、少し乱れた服を整えながらおれの腕から離れる。

玄関で靴を履く彼女を後ろから抱き締めて、「早く帰ってきて」って耳元で囁く。

そして彼女からは見えないけど、牽制したいあいつからは見えるであろう場所に赤い印を付ける。

あーーー、なんて大人気ねーんだ、おれ。