＊マイガール６＊ (ページ18)

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＃263 ページ18

《Aside》

２学期。
夏休み明けの試験、体育祭が終わり…季節は秋になった。

千「どこ回る？ホントに自由に決めていいんだよね？」

今日のホームルームは、修学旅行の班決めと自主研修で班ごとに回る場所を決めることになった。

班はもちろん、ちーちゃん、美優ちゃん、涼介、慧、私の５人。
中学の時の修学旅行は涼介だけ違うクラスだったから、５人で回るの初めて。

美「自由に決めていいけど…ここから選ぶんだよ」

涼「清水寺は外せないだろ」

千「外せない理由がわかんないけど(笑)」

５人で、ワイワイ言いながら行き先を決める。どの班も楽しそうで、旅行が本当に楽しみ。
これで、担任が大野先生だったら…なんて考えると、隣のクラスが羨ましくなる。

S「大体決まった？」

そう言いながら、私の横に立ち、資料を覗き込む櫻井先生の顔を見ていると、「ん？」と優しくて爽やかな顔で笑ってくれた。

大野先生が担任だったらなんて考えてごめんなさい…

「はい、決まりました」って、ちょっと耳を赤くした美優ちゃんが答える。

S「この班は仲良いから揉めずにすんだな！でな、現地で乗るバスの座席をもう決めときたいんだけど…希望のとこに名前書いて。他のやつらと被ったら、あとからジャンケンな」

慧「どこにする？美優酔うから、前がよくない？」

千「せんせー、補助席あり？一人余るー」

「ここは？」

涼「おれ、Aの横だったらどこでもいい」

「やだ。私、ちーちゃんと美優ちゃんと座るから」

美「一番前の窓際ならまだマシ…もう、バスに乗るって考えただけで酔う」

私たち５人のやり取りを笑いながら見てる先生。

S「補助席なし。５人だと１人余んのかー」

先生は、どうすっかなって呟きながら座席表を見る。

S「小林、酔うんだろ？俺の横の窓際に座れよ。その後ろに２、２で横１列に座れば？」

それいい！
絶対そうがいい！
ちーちゃんも同じ考えなのか、すぐに目があってお互いに笑う。

千「そうしよ。涼介書いて」

涼「美優は？いいの？」

美「窓際ならどこでも…」

「ほら、いいって。早く書いて」

慧「こっち側に俺と千咲にして」

涼「じゃ、こっちがおれとAだな」

そんな男二人の会話は今はスルー。
美優ちゃんは恥ずかしいのか俯いたまま…
いいなー。
好きな人の横で修学旅行回るなんて。

大野先生のクラスでも誰か先生の隣に座るのかなって思ったら、少し落ち込んだ。