＃125 ページ27
《Aside》
コンコン…
返事を待つこの時間が長く感じる。
「はーい」
中から聞こえてくる大野先生の声。
『榛原です』
中から椅子を引く音や足音が聞こえてきて、しばらくして扉が開く。
扉から顔を出して「どーぞ」って優しく招き入れてくれる。
久しぶりの準備室…
夏休みに来たときと変わらない。
部屋中に香る絵の具の匂い。
机の上に散らばる絵の具や筆。
灰皿に溜まっている吸い殻。
微かに香る大野先生の甘い香り。
何も変わってない…
「来てくんないかと思ってた」
そう言いながら、ふにゃっと笑う大野先生。
そんな言い方ずるい…
「日曜日、楽しかった？」
『はい。あの…ありがとうございました』
「ん？」
『ご飯、ご馳走してもらって…』
「あー、いいよ。楽しかったならそれでいい」
会話が続かない。
ドキドキと鳴る自分の心臓の音が先生にまで聞こえていそうで不安になる。
「座らないの？」って言いながら、自分の隣をポンポンと叩く先生。
「その弁当、おれんじゃないの？」
私が手に持っているお弁当を指差す。
『先生のです…』
「やった。じゃ、お茶持ってくんね」
先生が奥の冷蔵庫にお茶を取りに行く時に、私はソファに座った。
先生は2本のお茶を持って戻ってきて、私の隣に座った。
「Aちゃんのは？」
『食べました』
「そうなの？一緒に食べればよかったのに」
うまそーって嬉しそうにお弁当を食べ始めた先生。
なんで、こんなにいつもと変わらないの？
私の告白…聞こえてなかった？
それとも、なかったことにされてる？
ヤバい…泣きそう。
喋ると泣きそうで、ずっと黙ったまま先生がお弁当を食べ終わるのを待つ。
食べてる間、先生も何も話さない。
先生といてこんなに居心地の悪い思いをしたのは初めてだ…
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Haruno(プロフ) - ゆうもも☆様…コメントありがとうございます！立花先生、まだお別れに納得してませんからね…皆さまに楽しんで頂けるよう、妄想に妄想を働かせ(笑)頑張りたいと思います！ (2016年11月29日 17時) (
レス) id: 8a2baf9fbe (このIDを非表示/違反報告)
ゆうもも☆(プロフ) - はじめまして！んー立花先生が気になります。絶対何かやらかしそうな感じ。不気味だなぁって………。気持ちが通じてるけど、まだ高校生だもん。揺さぶられそうで……。次回を楽しみに待ってます！！ (2016年11月29日 16時) (レス) id: 4bb7c760d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno*
| 作成日時：2016年11月14日 2時
