10話 ページ11
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次の日、更衣室で着替えていると清水先輩が話しかけてきた。
「何か迷ってる?」
「えっ、」
「ちなみにだけど私、元々スポーツはやってたけどバレーもマネージャーも未経験だよ」
「へー、そうなんですね…」
じゃあ独学でルールとか全部覚えたのか…凄いなぁ。いっぱい努力したんだろうなー。ルール覚えるの大変だもんな。
「なんだって…始める前から好きってことないじゃない?何かを始めるのに揺るぎない意志とか崇高な動機なんてなくていい。
成り行きで始めたものが少しずつ大事なものになっていったりする。スタートに必要なのはちょっとした好奇心…くらいだよ」
成り行きで始めたものが少しずつ大事なものになっていったりする、か………
たしかにその通りだな。私もそんな感じだったし。
その後私達は体育館に行った。
「扇西高校、到着は4時半だそうです!」
「「「「ウーっす!」」」」
「じゃあ仁花ちゃんたち、手前のコート分けにパイプ椅子並べてくれる?えっと…8脚!」
「あ、はい!」
「分かりました!」
すると日向が話しかけてきた。
「手伝う?」
「いいよいいよ!自分のことやって!」
「わかった!」
日向が顔を叩いて気合いを入れていた。
「絶対負けねぇ」
その様子を見ていた仁花が不思議そうに声をかける。
「ね、ねぇ、今日の試合って練習試合、だよね?」
「?うん」
「その…遠征に行くための勉強も本番じゃない試合もどうしてそんなに頑張れるのかなって……」
「え…?強くなって…勝ちたいから?」
日向はさも当たり前かのように言う。
「そ、そっか。きっと色々理由があるんだね」
「え?理由?勝ちたい理由?」
「え?うん…」
「負けたくないことに理由っている?」
仁花はそんな日向の気迫に地味に驚きながらもビビっている。日向は近くを通りかかった影山に声をかける。
「なあ影山、負けたくない理由って分かる?」
「ああ?知るかそんなもん。腹が減って飯が食いたいのに理由がいんのか」
「だよなー。うーん……」
「食欲とかと同じレベルなんだ…」
「…日向たちは凄いね。なんか本当にマジで本気なんだってのが伝わってくる」
「ごめん!愚問だったね!」
「「愚問…?」」
「え、愚問の意味分かんないの…?」
「愚かな質問!また自らの問いをへりくだって言うことば!ついこないだやった!」
と、通りがかりにツッコミを入れる月島。
なんか大変そうだな月島。
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桜(プロフ) - 紫月さん» コメントしてくれてありがとう。この作品を作ったのは愚痴とかの意味もあるけど、自分みたいな考えの人がいるのかどうか知りたいなって思ったのもあるんだ。だから別に偉そうじゃないし気にしなくていいよ!(あと、ハイキューに手を出してみたかったのもある…) (2021年4月25日 11時) (レス) id: a3e07da17b (このIDを非表示/違反報告)
紫月(プロフ) - 祝っていいかどうかわからないけど、新作おめでとう。この物語を書いて、愚痴をばらまければ、ストレスをばらまければ、いいと思うよ。偉そうな事言ってごめんね。 (2021年4月25日 7時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 | 作成日時:2021年4月25日 7時