先輩 参 ページ20
炭「成る程。大体の事情は把握したよ。つまりは、君たちは任務ではなく、そこの女の子の記憶についてを調査する為にこの村にきていたんだね」
A「まあ、そんな所です」
今、僕たちは初代さんの家に戻り、事情説明をしている所である。
しっかし、この先輩方、随分と賑やかなんだなあ。
善「あ、お前それ俺の飯だろうが！」
伊「ボーッとしてるてめえが悪いんだろうが！」
炭「こら、二人とも、少しは静かにできないのか！」
随分と元気が有り余っている方々だな。さすが先輩と言うべきか、其れとも少し冷たい目で見るべきなのか。
太陽はすでに『こいつら邪魔だな』と顔に思いっきり出てしまっている。其れとは反対に、藍と月はこの先輩の方々に興味がある様だ。
「そういえば、初代さん。私達が村を巡回していた時、多くの家からは応答が無かったのですが、この村って、そんなに空き家が多いんですか？」
月が思い出した様にして、尋ねる。
「ああ、それなら、大半は村を逃げて、別の所へ移り住みおったんじゃよ」
「え？でも、じゃあなんで初代さん達はここに残ってるんですか？」
ついつい聴きたくなってしまい、僕は聞き返す。
「娘が帰ってくるまで、儂はここを動かん。其れに、もう歳なんだ。今、ここに残っている奴らは」
初代さんが、悲しそうに微笑む。
「老いぼれに、逃げる力なんて、無いんじゃ。娘も居なくなったなら、もう生きている意味なんぞ、儂は無いと考える様になって来てな…」
炭治郎さんが、不意に、初代さんの方を悲しげな目で見つめ、
「そんなこと言わないでください」
と言った。
「例え娘さんが居なくなってしまったとしても生きていて下さい。そうで無ければ」
一旦言葉を区切ってから、
「俺達が娘さんを見つけた時、娘さんの帰る場所がなくなってしまうでしょう」
と優しく語りかけた。
先輩は、やっぱり凄かった。
その声とともに、初代さんは、抱えていたものがこぼれていく様に、泣き出した。
太陽の顔が、複雑な表情になっている。こういうのは、あまり得意では無いのか。其れとも……
何か別の感情も、混じっているのだろうか。
その時は、炭治郎さんの抱えていた事について、僕たちは、まだ理解できていなかった。
次の日。
僕達は、忘寺を倒すという目的のもと、共同戦線を張る事にした。
こんなに人数が居れば、もう勝ったも同然だったのでは無いか。
この考えは、甘かったのだと後になって僕達は気付く。
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ココロ - 8000hitありがとーございます！ (2020年4月3日 18時) (
レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - まさかの5000hitありがとうございます。評価も、少しですが上がっていて、嬉しかったです…！ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 2000hit,有り難うございます！ (2020年2月29日 18時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 1000hitという文字をこんなに早く見るとは思ってませんでした……ありがとう御座います！ (2020年2月22日 17時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 260hit,ありがとうございます！ (2020年2月21日 14時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ココロ | 作成日時：2020年2月6日 19時
