先輩 弐 ページ19
「!鬼が五体も!」
「纏めて殺ってやらあー!」
猪頭の人が、突進して、鬼を纏めて首を斬ろうとしている。
しかし、その鬼の後ろには、ちょうど隠れる形で立っている月と、僕がいた。
「Aさん!」
慌てて、月が僕を引きずる形で何とかその刃を避けた。
「あっぶな!」
危うく首が斬られるところだった。と、鬼が倒された事で、その鬼殺隊の人に、僕たちの存在が認識された。額に傷がある人が、驚いて、
「君たちこんなところで何しているんだ?」
と言って駆け寄って来た。まだ、僕たちは隊服を着ていないため、一般市民に見えてしまうのだ。
「あ、えっと…」
僕たちが返答に困っていると、太陽が此方にやって来て、額に傷がある人の前に立って、言い放った。
「何者だ。人が二人も斬られるというところだったのに、よく悠長にしていられるな」
と、あくまで冷静に言った。そこに猪頭が割り込んできて、
「お前こそ、何者なんだよ。聞くよりも先に、自分が名乗るべきじゃねーのかよ」
と、睨め付けていた。
ぐぐ、と引かない両者。それを止めたのは、偶然にも
「「落ち着け、」」
「伊之助」「太陽さん」
と声を見事ハモらせた、月と傷の人であった。
「全く、伊之助は礼儀というものを学んでくれ」
とため息まじりな声と、
「斬られてないんですから良いじゃないですか」
と、苦笑まじりな声。
その光景に、僕は駄目だ、と思っても、笑いをこぼしてしまった。それに釣られ、藍も「…ふ」と、笑ってしまう。
次第に、笑いが広がっていった。まだ一言も喋っていない、黄色い頭の人も、続けて笑っていた。
「僕は、竈門 炭治郎。で、こっちの猪の人は伊之助、で、俺にしがみついている人が善逸だ。宜しく」
「俺は太陽。で、こっちが」
「桜ノ舞 月です」
「あ、Aです」
「……藍」
と、自然と自己紹介することになった。
炭治郎さんが、改めて僕たちに質問をしてくる。
「どうして、君たちはこんな所に居るんだい?」
「えっと、僕達鬼殺隊で、隊服はまだ支給されてないんですが、さっき、あの伊之助さんが倒してくれた鬼の子分を倒そうと」
「君達も鬼殺隊だったのか!」
「良かった〜」
善逸さんが、初めて喋る。
「ほら、俺たちって、政府非公認だからさ、市民に刀のことばれたらどうしようって……」
それは考えてなかった。もしかして、其れが今まで追い出されて来た理由かもしれない。
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ココロ - 8000hitありがとーございます! (2020年4月3日 18時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - まさかの5000hitありがとうございます。評価も、少しですが上がっていて、嬉しかったです…! (2020年3月11日 11時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 2000hit,有り難うございます! (2020年2月29日 18時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 1000hitという文字をこんなに早く見るとは思ってませんでした……ありがとう御座います! (2020年2月22日 17時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 260hit,ありがとうございます! (2020年2月21日 14時) (レス) id: 7279136435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ココロ | 作成日時:2020年2月6日 19時