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チルドレン 3 (スナイダー+α) ページ9

技術者さんに見せたところ、整備など諸々で今日はとりあえずあのままらしいが、すぐに治せることが分かって安堵する。

「それにしても…見事に真っ二つだな」

「そうですよね」

「もしかしたら、敵の新兵器かもな」

と、安心したのもつかの間、なんて不穏なことをいう技術者さんはスナイダーの整備を始めた。
手持ち無沙汰になった私はノエルとニコラからお古の小さめの服を受け取ってシャワー室へと向かう。

何人か入っているはずだから近くにいる誰かに服をあずけて渡してもらおうとした時、シャワー室からいきおいよく何かが飛び出してきた。

「きゃ!」

慌てて受け止めたが、それはびしょ濡れなうえなうえに生まれたての姿…まあつまり裸のスナイダーだった。

「す、スナイダー!?なにしてるの」

「……」

腕に抱えるスナイダーの顔を覗き込みながらとりあえず濡れたままは良くないのでタオルで拭こうと思った瞬間、次に飛び出してきたのは焦った顔のエンフィールドだった。

「こら!!スナイダー!!」

「…こい」

「え?ちょ、ちょっと!!」

エンフィールドを認識するとスナイダーは理解が追いついていない私の腕を引いて走り出す。意外と強い力にも驚いたが、ちゃっかりタオルを奪われているのにも驚く。

後ろからは上裸のエンフィールドが怒って追いかけてきているのを横目で盗み見て焦る。
心臓に悪いからやめてよ!!

「まさか逃げてきたの?」

「趣味の悪いことしてきたのはそっちだろ」

「ど、どういうこと?」

「…あそこに入るぞ」

質問を無視してスナイダーは手直な空き部屋に飛び込み鍵をかけた。そして素早く私の口を塞ぐ。

しばらくしてからバタバタと廊下を走る音が聞こえ、だんだんとそれが遠ざかるのを聞き届けるとスナイダーは私を解放する。

「…なんで逃げてたの?喧嘩でもした?」

「そんなふうに見えるか?」

至近距離にある少年の顔はなんだか見覚えのある嫌味たらっしい笑みを浮かべた。
そしてまるで名案かのように次の言葉を繋ぐ。

「匿え」

「へ?」

「お前の部屋に連れてけ」

有無を言わせない言葉に押し黙る。
なんだろう…雲行きが怪しい。
ほんとに子供…いや、でも…??

混乱する私を置いてスナイダーは部屋の外を確認すると再び私の手を握ると可愛らしく笑って早く、と促す様子は正真正銘、少年だった。

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作者名:豆腐 | 作成日時:2019年4月5日 22時

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