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sn「分かっているとは思いますが、Aさんはトラゲーディエ家長女として"完璧"でなければなりません...と、言われていますが。
そこまで気負いをされないでください。
そこまで気負いをして間違えてしまう方がもったいないのですから」
Aは眉を下げて『そう、ですね...』と弱々しく言葉を放った。
皆からは強気のイメージが多い彼女ではあるが、それはあくまで見せかけ。
そうでなければならないという使命感が彼女を締め付けているだけなのだ。
sn「...間に合うかなぁ。
すみません、もう少し速度をあげてください」
しんぺい神が運転手へとそう声をかけると多少スピードが速くなる。
『...嫌です』
sn「嫌、じゃないです。
弟様の入学パーティーなのですから。」
しんぺい神の言葉にAは黙って俯く。
sn「...ラインヴァイス家の令息様ですか？」
びく、とAの肩が跳ねる。
『辞めてください。もう、終わったことなのですから』
Aが急にハッキリと意思を表明する。
しんぺい神はそんなAを見て心配そうに見ていたが、少しするとAがそう言うのなら、と気にかけるのを辞めたようだった。
ni「...よし、着いたようですね」
若干素が出ている気がしなくもないが、兄さんを先頭に車を降りた。
大きな家の前でAはなんとなく顔をあげた。
大きな家をじっと見上げているとしんぺい神に呼ばれ顔を下げる。
sn「どうかなされましたか？」
『...いえ、何も。』
しんぺい神を追うように歩き出すAに何を思ったか離れたところから見る兄さん。
兄さんは黙ったままその後ろを歩く。
sn「では、衣装を着替えていただいて」
しんぺい神はそれをメイドへと任せ他の準備へと向かってしまう。
「失礼致します」
部屋に入りすぐ、着替えへと取りかかる。
衣装はいつも着る黄緑色で自身の家紋のロベリアが刺繍されている黒のAラインのドレス。
「美しいです」
『...兄さんは？』
「廊下にてお待ちです」
Aは化粧されながらも脳内でぐるぐると考えを巡らす。
化粧が終わり次第その場を立ち上がり廊下へと出た。
『兄さん』
ni「お嬢様。準備はできています」
『ありがとうございます』
Aが兄さんとの会話を終えたとき、何処からか声が聞こえてくる。
『...？』
辺りを見渡すと、遠くから嬉しそうに手を振り走ってくる男子。
それは、確かにAの弟だった。
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ぽっぷこーん(プロフ) - 神作ありがとうございます。29話、やっぱ、置きとったんかの所起きるですね (2021年10月12日 19時) (
レス) @page29 id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 初コメ失礼します！私もその曲好きです！最近知ったのですがこういう悪役令嬢の話をよく読んでるので他の曲より歌詞がグッときますよね！これからも頑張ってください！ (2021年4月10日 22時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月14日 0時
