四十八日目 ページ48
「はぁ、何で俺らが行かなあかんねん」
面倒くさそうにそう言ったコネシマに「しゃあないやろ？」と返したエーミール。
「グルッペンだけやのうて、先生に頼まれたんやもんなぁ...」
ロボロはそう言い肩をあげた。
昼にグルッペン、放課後にらっだぁに頼まれたことを思い出す。
「らっだぁに命令されたん思い出すと苛つくんやけど？らっだぁがいけばええやんけ」
不貞腐れているゾム。
「そんなこと言うたって、プリント渡さんとあかんし、致し方なし
先生らも忙しいんやろ」
トントンは手に持つプリントへと目を落とした。
先生から許可も降り、夜中に鬱の部屋へと向かう。
鬱は何故か部屋を変えてもらって、最上階の部屋を使っている。
最上階の部屋は一つ一つが広く、そこだけで生活できるレベルだ。
「尖ってほしいんやろ？シッマは」
「そうなんやけど...寝る時間を減らさんでほしいよな」
眠そうに大きな欠伸をするコネシマ。
そんなコネシマを見て、何処からか『辞めてよ、欠伸移る』と声が聞こえてくる。
「A、来たん？」
『んー...まぁ？
でも、もう無理そう』
「無理そう？」
エーミールがAへと目を向けると、いつも白い顔が青白くなっていた。
「え、大丈夫なんですか？」
『いや、...むり』
「無理せんで来んくてもええよ...
Aが近寄られへんってのはグルッペンから聞いとるから」
踞ってしまったAの背中を擦るロボロにAは力のない瞳を向けた。
『でも...君らが居ると多分、これ減ると思うんだよね』
なんで？と首をかしげる五人に何も言わずに『うん、大丈夫』と震える足を抑え立ち上がるA。
「ちょ、ほんま大人しゅうしとった方がええって...」
Aの調子の悪さにトントンが駆け寄るも、『大丈夫』と何度も繰り返し笑顔を作るA。
「...分かった、やけどほんまに無理やったら言うんやで？」
『うん』
若干返事が幼くなっているような気がしなくもないが、気をかけてか、Aの手を引くゾム。
『...というか、君らなんなの？ソレ』
そう言いAが指差したのは、彼らの"秘密兵器"だった。
「ええやろ、コレ」
怪訝そうにAはソレを見て、『私に向けないでよ』と警告する。
ゾムは「え〜、カッコようない？」とソレをAに見せつけるが、『次やったら呪い殺すよ』と睨みながら言われ不満そうにしながらも大人しく仕舞う。
というAも、呪い殺し方など知らないのだが。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月2日 16時
