四日目 ページ4
「...お前、勝手に女が部屋入っとって違和感持たんのか？てか、女何処行ったん？」
「へ？」
最年長の男の突っ込みに鬱は言葉を止めた。
考え直すと確かに不思議だ。
鬱はそう思うと少し怖く感じ、顔を青くさせシャオロンを見た。
「いや、俺を見んなや。分かんないんやって」
シャオロンはうざいと言いたげに少し鬱から離れた。
「おいグルッペン、お前が言い始めたんやからコイツどうにかしてくれや」
シャオロンがグルッペンへと目を移すと、質問をした張本人であるグルッペンは「俺興味ねぇし」と切り捨てた。
恨めしそうにするシャオロンを無視したグルッペン。
「...おばけ？」
声を漏らした男に目線が向く。
人一倍お化けが苦手なのか、顔を真っ青にし目を見開いた男がそこにはいた。
「俺、もう大ちゃんの部屋いかない」
「え、らんちゃん？嘘だよね？」
鬱がすがるように見るも目を反らしたひとらんらん。
「大先生の今迄の彼女さんの生き霊やないんですか？」
そう言いながら隣にいる水色髪の男と笑う男。
「大先生、チーノとショッピにバカにされとるやん」
コネシマはそう言い笑った。
鬱は唇を尖らせた。
しかし、何も言い返せずにため息をついた。
「まぁ、そうなんやけどさぁ...」
「...あ、ネクタイは？見んかったん？女子は比較的制服の子が多いやん」
そう言われ「あれ、」と思い返そうとする。
目の前にいる男は制服で、その胸元には緑のネクタイがあった。
「マンちゃんの学年が緑色やっけ？」
鬱がそう確認すると、そのネクタイを揺らしながら「そうやで」とオスマンは頷いた。
「で、俺らが青やんな？」
鬱が目を移したのはトントン。
トントンは制服を着ているため、青いネクタイが揺れていた。
「俺らは黄色ですよ」
ほら、とネクタイを見せたのはチーノ。
鬱は頷き「う〜ん...」と思い出そうとした。
皆は特に気にかけていないのか、手を止めずにそれを見ていた。
所詮面白そうな話程度。
「無理や、思い出されへん」
夜で暗かったこともあり、思い出せない。
寝ぼけていたし記憶も揺ったりとしたものしかない。
...でも。
「強いていうなら黒髪の青い目やったな」
「んなもん、お前とらっだぁ以外パッと思い付かんわ」
ゾムはそう言い食べ終わった弁当箱を閉じた。
「コンタミさんもやない？」
「あ？誰やそれ」
「三年担当の美術担当の先生やで」
「知らんわ」
三年の一人、兄さんがそう言うとコネシマがそう言いきった。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月2日 16時
