三日目 ページ3
午前の授業が終わり昼食含む休憩時間。
凝った体を伸ばし「んー！」と声が出る鬱。
それを横で見ていたシャオロンはため息をついた。
「あれ、そういえばシャオちゃん俺になにか言いたげやったけどなんやったん？」
思い出したように鬱が声を漏らすと「え？」とシャオロンは首をかしげた。
「...いや、忘れたわ」
シャオロンがそう言うと「まぁ、結構前やしな」と鬱は廊下を見た。
廊下には数人もの男子生徒がたまっていた。
「シャオちゃん、行こうや」
「おう」
屯して歩きだす一同。
他愛のない話をしながら歩いていると、鬱が思い出したように話題を変えた。
「Aって子、知っとう？」
「は？知るわけないやろ、屑」
辛辣な対応をする男は自身のつけている赤いマフラーをあげ、口元を隠した。
「トントン、そう言ったんなや」
「コネシマ...！」
「尖りが戻ってきたってことやろ？」
「コネシマぁ...」
一度尊敬するように目を輝かせたが、続く言葉に困ったように息をついた鬱。
コネシマ、と呼ばれた男は楽しそうに金髪を揺らしながら笑った。
トントンは呆れたようにため息をつき、手に持っていたプリントに目を落とした。
その代わりというように話し出したのは比較的小柄な男。
「お前の怒られた声、隣の部屋まで聞こえてきたで」
「ほんまかぁ？気ぃ引くための嘘ちゃうんけ」
「ほんまや！お前と違って欲望の塊やないんやぞ！」
そう怒り出す男を笑いながら宥めだすもう一人の男。
その男は深く被ったフードから楽しそうな目を揺らしていた。
「おいこらゾム、知っとるんやぞ、お前やって...」
「あ、おいこら、ロボロやめろや！」
「え、なになに？」
小柄な男、ロボロの口を手で塞ぎ慌てるゾムを見て、何に反応したのかシャオロンはにやにやと寄ってきた。
「...あ、そういうことか」
ロボロの言っていた意味を漸く理解した鬱。
女の視線を集めたい、という欲望だということに直ぐに思い付かないのか、とそれを見ていたトントンは苦笑した。
一同は屋上につき、屋上へと出る。
「あ、やっと来ましたね」
「待ってたぞ。はよ来い。」
座っている数名に近寄る。
円を作るように座り青空の下食べだす。
「あ、そういえばさ」
急に話し出す鬱に皆は薄い反応を示す。
「Aって生徒知っとう？」
「お前、さっきからなんやねん、それ」
シャオロンはうざそうに鬱を見た。
鬱はそれを見てへら、と笑い説明を始めた。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月2日 16時
