二日目 ページ2
鬱は目を覚ました。
朧気な頭で欠伸をしながら眼鏡をかける。
ボサボサの髪を手櫛で整えながら体を起こす。
目線を時計に向けた鬱は動きを止めた。
その時計は８時を示していた。
一限は８時25分から。
「やっば...！」
慌ててベッドを飛び起きバタバタと忙しなく用意を始める鬱。
慌ててた鬱の頭には、昨晩の話は抜け落ちていた。
寮だから近い、と言うわけではなく。
女子寮よりにあるため距離もほどほどにある。
やっとの思いで教室に着く鬱。
肩で息をする鬱を見てため息をついたのは、担任のらっだぁだった。
「鬱〜？今月何回目だ〜？」
「あ、あはは...三回目ですかね？」
「アホ、十三回目だ。全く、何度繰り返せば来るようになるのか...」
呆れたようにため息をつき、降参だと肩をあげるらっだぁ。
こんなことを何度も続けているらっだぁが可哀想になってくる。
「すみませーん」
鬱は軽い謝罪をしながら席へとついた。
男女で別れている列。
鬱の席は、男に囲まれるような形だ。
青春らしい席の配置などない。
男女の境界線でさえ他より幅がある始末。
これ以上近くすると、先生が訴えられることだってある。
元女子校といえど、現在は共学校なのに。
鬱が席に座ったのを見届け授業を始めるらっだぁ。
「ここまで遅れたんは久しぶりやな。」
声をかけられた方向へと目を向ける鬱。
顔を覗き込んできたのは若干中性的な顔つきの男。
「シャオロン」
「あ？いきなりなんやねん」
「いや、なんでもないで」
「ふーん」
興味をなくしたのか、シャオロンは直ぐに前へと目線を戻した。
鬱はふと昨晩のことを思いだし、隣のシャオロンを呼び掛ける。
「シャオちゃん、シャオちゃん」
「なんやねん、お前もっと声量落とせや。バレるやろ？」
こそこそとらっだぁにバレないように話し出す二人。
「Aって子、知っとう？」
「は？知っとるわけないやろ。俺ら男子は警戒されとんねん、名前聞いてみろや、セクハラ扱いやぞ？」
顔をしかめたシャオロンに「そうやんなぁ」と鬱は溢した。
シャオロンは何を思ったのか、「お前さぁ、」と話したところで声が遮られる。
「おいこらー、そこ話すなよー」
遂にバレてしまった。
二人は「話しとらんじゃないですか〜」と流す。
「本当かぁ？...まぁ、気を付けろよ」
らったぁはあからさまにニコニコと笑う二人に呆れながら授業を再開した。
そのあとは授業に集中した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月2日 16時
