76個 ページ26
送り主は鬱だった。
なんだろう、と思い開く。
"なぁ、A、ちょっといいか？"
鬱は連絡になると方言抜けるんやな、と思いながらも"ごめん、夕食とってた"とだけ送る。
ずっと見ていたかのように既読は直ぐにつき、"今日見かけたんだけど、隣の男誰？"ときた。
隣の男...？
誰だ？
シャケ君かな、色盲さんかな...
それにしても。
なんで知っとるんや、この人。
とりあえず"多分家族"とだけ送る。
すると直ぐ様"家族？Aのおかん、離婚したんじゃないの"と返ってくる。
なんで知っとんねん...こわ。
"色々あるの"
それだけ送り電源を切る。
丁度シャケ君がやって来て、「お風呂空いたよ」といってきた。
荷物を手に部屋を出て、お風呂へと向かった。
お湯はまだまだ温かく、ゆったりと出来そうだ。
肩まで入ってふぅ、と一息つく。
なんやろ...
母さんやないし、ほとんど知らん人なのに安心できとる。
ええことなんやろうけど、自分が自分やなくなったみたい。
少しネガティブな考えに向かったことに気がつき、自身の考えを忘れさせるように頬を叩く。
それにしても、明日の遊びにいれてもらえるとは...
ほとんど関わったことないも同然なんやけど、楽しそう。
普通にゲームは好きだ。
ぴくとともやってたし、らっだぁ先輩達ともやっていた。
シャオロンとは、ぶっちゃけ外で遊ぶ方が多かったけれど、雨の日などにはよくゲームをしていたものだ。
また、シャオロンともゲームしたいなぁ
最近やっとらんかったもんな、今度誘ってやるのもええな。
でも、運動系統も捨てがたい。
なんでも、幼い頃はシャオロンに負けまくって勝った覚えがない。
一度だけでもええから、負かせたいと言うのが本音。
幼い頃から、かわいらしさやあどけなさはあったものの、どちらかというとカッコいいの分類に入っていた気がする。
顔にそぐわない態度は女子からの人気を総取りにした...直ぐに転校してきたゾムにとられていたけど。
不人気、だなんて弄られていたけれど、それも愛されているが故。
彼はずっと笑っていたから、生徒は笑ってそう言っとったけど。
実はシャオロンが裏で苦しんでたりしとったけどな。
それすら助けられない私。
それなのに、私が嫌なことはいち早く気づいて止めてくれた。
優しいよな、シャオロンは。
逆上せそうになったため、直ぐに体を洗いお風呂を出た。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月14日 22時
