72個 ページ22
部屋へと案内してもらい荷物を自室へと運び終えたとき、下から色盲さんが呼んできた。
階段を降りリビングと教えられたところへ行くと、色盲さんと青年がいた。
...あれ。
彼って...
青年の黒髪がゆれ、顔が露になる。
気のせいやないよな？
『Nakamu君たちと一緒にいた子、だよね...？』
「...嗚呼、あのときの」
心当たりがあったのか頷く彼。
「あれ、Nakamu君たちと知り合いだった？」
『あ、まぁ、少し』
頷くと、「へぇ〜」と言いながら色盲さんは彼へと目を向けた。
「じゃあ、シャークん知られてんじゃないの？」
shr「いやいや、なんでNakamu達が知り合いだったら俺と知り合いになるんだよ」
「シャークん友達いないじゃん」
shr「いるし」
親子喧嘩が発展しそうな所で遮る。
『あ、あの、Aって言います』
よろしくお願いします、と頭を下げると「シャークんです。よろしくお願いします」と頭を下げてくれた。
「一応家族になるから、なるべく軽くやっていこうね」
shr「そう簡単に出来ないだろ」
「まぁまぁ、そう言わずに、ね？あ、Aちゃんも関西弁でいいからね、気楽に」
びく、と肩を揺らす。
母さんのこと知ってるから関西人って分かっとるんか。
shr「...？
関西人なんですか？Nakamu達と居たとき普通でしたよね」
『...まぁ、人と関わるのが苦手なんで』
shr「そうー...だったんですね。」
中々会話が弾まない。
「ふはは、じゃあ今から外行こうか」
『え？』
なんで、と顔を色盲さんへと向ける。
「タンスとかベッドとか、大きいもの買いにいこうか。シャークんもね」
shr「え、俺も？」
「うん、昼食もとるからさ」
shr「...分かった。」
立ち上がり行く準備を軽くする。
昼食とか言っとったけど、多分仲良くさせる為なんやろうな。
バッグに小物とスマホなどを入れ部屋を出る。
隣室はシャークん君らしく、ばったり会う。
『えーと...シャークん君』
shr「...シャークんでもシャケでも好きなように呼んでください」
『わかった、シャケ君。
Nakamu君たちと遊ぶ約束か何か、合ったんじゃないの？大丈夫？』
shr「あー...まぁ、そうでしたけど。大丈夫ですよ、いつでも話せますし」
後頭部をかき目線を反らす。
『ごめんね』
shr「大丈夫です」
やはり会話が続かない。
玄関に出ると既に色盲さんが立っていた。
「お、行こうかー」
ニコニコと笑う色盲さん。
心なしか、一緒に来た私たちに嬉しそうにしていた。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月14日 22時
