17回 ページ17
リビングで机を使う人がいないのを確認してから向かい合うように席につく。
em「では、改めましてエーミールです。よろしくお願いします」
エーミールがそう言って頭を下げるから慌てて頭を下げる。
em「ふふ、では授業の方をしましょうか」
エーミールは手に持っていた本を机の上におき、回転させる。
書いてあるものを見るも難しくてよくわからない。
em「う〜ん、どうしましょうか。言葉が理解しているとは聞いているので、言葉と文字の認識を統一させますかね」
エーミールは難しいことを呟きながら本に書かれているものを指差した。
em「これは、文字です」
文字。
頭でその名前を覚える。
em「これは、発音はこうして読むのですよ」
エーミールが実際に言って、本の上にある文字に指を指す。
少しすれば直ぐに文字を理解し書けるようになっていた。
しかし、発音するのはどうにも難しく何度かさりげなくチャレンジしたのだが全て失敗で終わった。
しかし、と目線をエーミールへと向ける。
そこには自分が書いた拙い文字を見て頬を緩ませ嬉しそうにしているエーミールが居た。
こうも喜ばれるとむず痒くて仕方がない。
em「凄いですね、上手です！これまでに上達するとは...！
直ぐに文字をマスターしてしまいそうですね」
ずっと誉めているエーミール。
少しだけ口を開く。
『...ぁい、と』
掠れて出た声。
上手く出ないし、皆と違う音程。
もしかしたら間違えているかもしれない。
聞き取れていないのかもしれない。
ただ、そう言えただけで嬉しかったし、恥ずかしかった。
目のやり場に困り自分の手を見つめると静かな空間がやって来る。
やっぱり間違えてたのかな、なんて考えが頭の中を駆け巡って混乱してしまう。
em「...っ、グルッペンさん、聞きましたっ！？」
エーミールは机に手をバン、と当てると共に立ち上がりグルッペンへと見る。
大きな音に驚き自分は顔をあげた。
em「Aさんがっ、今、今っ！」
興奮した様子でグルッペンに詰め寄るエーミール。
グルッペンは苦しそうに胸を叩いている。
そんなグルッペンの前の机にはひとつのケーキ。
喉に詰まらせてしまったのだろう。
gr「んん、俺も聞こえたから、そこまでせめよってくんな」
em「ぁ、すみません、嬉しくて、つい」
申し訳なさそうに頭をかくエーミール。
ここまで嬉しそうにしてくれるとは思わなくて、恥ずかしくてたまらなかった。
ただ、エーミールの声は止まることはない
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パソコンの精 - 設定が面白いので、読んでて飽きないですね。更新頑張って下さい！ (2020年12月13日 14時) (
レス) id: 8d2541acc6 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@元祖みぃーちゃん(?) - お！！クリーパー！？ すげぇ､､､え?夢主かわよ！！ ､､､更新頑張ってください！！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2020年10月23日 19時
