心に負った深い傷 10 ページ37
「そっかぁ、お漏らし和くんは酷いよなぁ。
そんなこと言われて嫌だったな？
だけどこの家にいる人はだーれもそんなこと思ってないよ。潤のクラスの女の子に優しくしてあげた和くんだよ？
みーんな和の味方。だから安心して良いんだからね？」
言われて嫌だった気持ちさえも上手く伝えられない和。
優しさの代償にしては、あまりにも不釣り合いな攻撃に、俺のこんな言葉は何の救いにもならないかもしれないけど、どうしても伝えておきたかったことだけを"伝われ！"って強い想いと共に和に送った。
俺の話を黙って聞いていた和は、くるりと体の向きをかえてこっちを向くと、無言で首にしがみついて来た。
「うん。
和の悔しい気持ちもちゃんと分かってるから…
だから大丈夫、ね？」
和の辛い気持ちの表れなのか、痛いくらいにしがみついてくる。
その腕の力が弛むまでずっとこうしててやりたいって思うけど、そうもいかなくて。
「和？のぼせちゃうから、上がって洗おう？
まーにぃが全部やっていい？」
肩に頷くのを感じて立ち上がると、足でもぎゅってホールドして来て、和の不安の強さを俺に知らしめる。
しがみついて離れようとしない和の体を洗ってやるのは大変だったけど、そんなのはどうってことない。
これ以上傷つかないように…
少しでも早く立ち直れるように…
俺が願うのはそれだけだよ、和？
2人抱き合うようにくっついたまま、シャワーラックから降り注ぐ温かいお湯に打たれる。
顔の水滴を手で拭ってやりながら、
「ちょっとはスッキリしたか？」
ほっぺをムニムニしながら訊いてみた。
「まーにぃ…」
一言だけ呟いたその顔は、少しだけ柔らかくなっていて、心の中で『ふぅ』ってため息をついた(苦笑)
「誰か呼ぶか…」
表情は弛んだものの相変わらずガッチリしがみついている和になすすべがなくって、思わず独りゴチて、
「手、空いてる人来てー！」
脱衣室から顔だけ出して叫んだ。
すぐに『はいはーい！』って軽快な返事が聞こえて、翔にぃが飛んできた。
「すまん！気をつけてて上がったらヘルプに来ようって思ってたのに潤が騒ぐからさぁ」
「潤、どうかした？」
「ん？あー『かーくんと遊べなくてつまんない！』だって」
苦笑を浮かべて潤のマネをする翔にぃ。続けざまに、
「和、このままあっち行こう？智パパが待ってるよ？」
って、バスタオルにくるんだ和を受け取り、愛しそうに耳元で言ってやってる。
和、分かる？
みんな和のことが大好きだよ？
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棗(プロフ) - パスワード申請します 。 いつも、拝見させていただいてます。 (2019年2月14日 20時) (
レス) id: ef140653c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - パスワード申請します。 お願いします。 毎回楽しく読ませて頂いております。 (2019年2月14日 16時) (レス) id: 03009ea5b3 (このIDを非表示/違反報告)
rietan(プロフ) - パスワード申請します いつも楽しみに読ませてもらっています 疲れた心が癒されます (2019年2月14日 0時) (レス) id: 09ada2be90 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - こんばんは。パスワード申請お願いします。いつも、楽しく拝見させて頂いています。ドキドキしたり、ほっこりした気持ちになります。これからも、楽しみにしていますので無理の無いように更新楽しみにしてます。 (2019年2月14日 0時) (レス) id: bd8fca3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - パスワード申請 いつも拝見させていただいてます。 (2019年2月13日 21時) (レス) id: 1d2222a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2019年1月19日 21時
