主婦喪失 17 ページ42
ゆかが入院して4日目の朝。
恐れていたことが起きてしまった。
日に日に目に見えて汚くなっていく家。
僕は『あ〜あ』って、思いながらも仕方ないよなぁって諦めていたんだけど。
翔は日増しにイライラすることが多くなって、顔にも疲労が滲んでいた。
それでも昨日は、どこか吹っ切れた様子で、
『あとちょっとの辛抱。ゆかも頑張ってるんだから俺たちも…』なんて、言ってきたりしてたから、何とかなるかなって思っていたんだけど。
翔は真面目で、それゆえ融通が利かないところがある。
だからできないことの多い生活で相当ストレスが溜まってたんだろうね。一番してはいけない方法で、そのストレスを吐き出してしまったんだ。
朝、ここ数日のルーティン通り、和と潤を起こしに行った翔。
違ったのは、昨日よりも早起きをして、洗濯を始めていたこと。
「これ以上溜めたら、着せる服なくなっちまう」
って、後から起きてきた僕に笑って言ってた。
そんな翔を見送り、僕は朝ごはんの支度を始めた。しばらくすると激しい和の泣き声が聞こえてきた。
温め始めていたフライパンを慌てて火から下ろし2階へと駆け上がると、和の部屋の入口で呆然と立ち竦む翔がいた。
「どうした？」
聞くと、震える声で、
「叩いた…」
って、一言。
部屋の中を見ると、ベッドにうつ伏せで泣きじゃくる和がいて、お尻に手を当てていた。
「何で？」
自分でもびっくりするくらい低い声でそう訊いた。
「和、起こして…
潤を起こして戻ってきたら、また寝てて…
最初に起こした時、おねしょしてなかったから褒めてやろうと思ったのに…」
そう答えて唇を噛んだ翔。
和をもう一度見ると、びしょびしょになったパジャマを着ている。
何となく事情は分かったけど、どう考えても翔が悪い。
僕が来たことで、部屋を出ていこうとする翔の前に立ちはだかり、
「どこ行くの？
逃げないで。悪いと思ったなら、謝りな。
謝ることに、大人も子どもないから。
解決するまで出てこないで」
そう小さな声で言い放って、翔を和の部屋に押し込んでドアを閉め、潤のところに向かった。
ダメだよ、翔。
ここは逃げちゃダメ。
腹が立ったことも叩いてしまったことも、それは仕方がない。決して褒められる行為ではないけど、人間だもん、そんなこともある。
だけど、この問題の解決を人任せにするのは良くないと思うよ…
大丈夫。
今まで時間を掛けて築いてきた関係はそんなに簡単には壊れたりしないよ…
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
