主婦喪失 12 ページ37
雅紀サイド
ゆかは鎮静剤で翌朝まで眠り続けた。もちろん途中で目覚めたとしても、すぐに側管から薬を追加されて眠らされたんだろうけど。
9時を過ぎ、もうすぐ1回目の面会時間だと思うと、じっと座っていられないほどそわそわして。
意味もなく廊下をうろついてしまう。
そうしているうちにICUの入口の自動ドアが開き、井ノ原先生が出てきた。
「おはようございます。
今からベッド移動しようと思ってるんだけど、良いかな？
ICUだと意識戻ると苦痛だと思うんで」
って。
ここのICUは本当に重症の人だけが収容される所でベッドとベッドの間には壁もなく、全くプライバシーに配慮がされていない空間になっている。
ベッドはナースステーションを中心に放射状に並べられていて、スタッフがどのベッドにも目が届くようにしてある。
つまりは患者さんは意識がない重症者ばかりで、スタッフの効率、治療のやりやすさを最優先にした空間ってこと。
そんな所だから当然ながら意識が戻って、回復の兆しが見え始めたら、ベッド移動させることになる。
ゆかが回復してきてる…
そう理解した俺は、
「もちろんです。
ゆかはもう大丈夫ってことですか？
どこに移動ですか？」
って、矢継ぎ早に質問する。
そんな俺に、
「移動って言ってもまだ病棟に上げられる状態ではないので、隣のHCUに。それで午前中にギネの先生に診てもらってまた考えます」
って、冷静な口調で伝えてきた。
俺が予想したほどの回復ではないと知って、少しがっかりしたものの、危機的状況でもないということも分かった。
「そうですか、HCUですか…
でもそこだと面会はもう少し自由になるんですよね？」
側にいてやりたくって。手を握ってやりたくて…
そう言うと、
「ええ、HCUの個室が丁度空いてますので、側にいてあげて下さい。
きっと目覚めた直後は不安も大きいでしょうから」
って。
長時間の鎮静で、不穏症状が出なきゃ良いけど…
そう思いながら、俺は井ノ原先生の後についてICUに入室した。
入口で別れ、身支度をしてベッドサイドに行くと、丁度抜管を始めるところで、2人の医師がゆかを頭の両側から覗き込んでいた。
すぐに、
「サクションお願いしまーす！」
って、言う医師の声を合図に、吸引器のスイッチが入れられ、
”ｼﾞｭｯｼﾞｭｼﾞｭｰ”
耳障りな音が鳴り始めた。
「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ、うぇっ…」
当然ながらゆかは、噎せてえずいて…
可哀想に涙まで流していた。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
