主婦喪失 10 ページ35
翌朝僕は5時に起きた。
というより、眠れなかった。
最悪のことばかり考えてしまって…
でもグズグズなんてしていられない。和と潤に朝ごはんを食べさせて、送り出さないと…
主婦が不在となった今、残された者で何とかしなくちゃなんない。
「よし！」
敢えて大きな声で言って、一気に体を起こし、ベッドから出た。
すると、隣の部屋から話し声が聞こえてきた。
廊下に出ると、和の甘えを含ませた泣き声も聞こえて来て。
そっと部屋を覗く。
ベッドの脇に屈む翔に、身を乗り出すようにして、和が腕を首に巻き付けている。
「泣かねぇの。
仕方ないっていつも言ってんだろ？」
いつも朝の和を世話するのは僕かゆかなんだけど。
家事がからっきしダメな翔は、子どもたちのことを一手に引き受けるつもりなんだろうね。
「しょ、パパ怒ってるぅー。怒っちゃやーだ！」
寝起きでちょっと素っ気ない翔の言葉に、文句を言う和。
ホントに怒ってると思ってたら、そんな事言えないくせに。
「怒ってないってば。
和はおねしょして怒られたことあんの？
ないでしょ？」
って。
ほら、早く着替えないと風邪引くぞって和を引き剥がした翔。そして僕の気配に気付いて困った顔をしながらも、大丈夫って口パクで伝えてきた。
まだ子どもたちが起きるには早い時間。もう一眠りするのかな、なんて考えながら1階へと下りた。
翔サイド
まんじりともせず朝を迎えた俺は、時計を見ながらいつ起き出そうか思案していた。
外が白々と明るくなって、そろそろ動き出そうかと思っていた時、すすり泣く声がベビーモニターを通して聞こえてきたんだ。
しばらく使っていなかったそれをセットしておいたのは、小さな環境の変化にも敏感に反応する和が心配だったから。
案の定、こんなに朝早く泣いて起きるんだから、ホントにデリケートで困る。
「和ー何泣いてんの？」
言いながら部屋に入ると、ベッドには小さな山ができていて。
布団を捲ると、お決まりの光景が(苦笑)
「おしっこ出ちまった？
なら着替えでしょ？」
そう言ってもベッドに蹲ったまま甘えた声で泣いている。
「ほーら、こっち向いて？」
肩をクッと引くと、ガバッと俺に抱きついてきて、さらに、
「ふぇ〜ん」
って、甘えた声で泣く。
「泣かねぇの。仕方ないっていつも言ってんだろ？」
全く困った子だよ、和は…
そんなことをしていると背後に感じる人の気配。
愚図る和をあやしながら、この先の行動に考えを巡らせる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 545人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
