主婦喪失 20 ページ45
翔サイド
気分は最悪。
そのまま、仕事に出掛けて行く気にはなれず、病院に寄って雅紀とゆかの顔を見てから行くことにした。
雅紀から順調な回復って聞いてたから、軽くノックして入ったんだけど。
カーテンの隙間から見た2人は、ベッドの上で座ったまま抱き合っていて…
ゆかは声を上げて、雅紀は小さく肩を震わせて泣いていた。
でもそれは、悲壮感漂うものではなかった。
雅紀は優しく優しくゆかの頭を撫でてやりながら、
「大丈夫…」
って、穏やかな声で言ってて。
ゆかも雅紀に抱きついて、肩に回した手は子どものようにきゅっと雅紀の服を掴んでいた。
柔らかで、神聖さすら感じられるような光景で、とてもそこに割り込む余地なんてなくて…
俺は踵を返すしかなかった。
だからそっと一言だけ、LINEにメッセージを送った。
それからは、何とか自分のペースを取り戻すことを意識して仕事をこなし、無事帰路につくことができた。
もう夜の9時を過ぎ、急いで帰っても和や潤は寝てしまっている時間。
暑くも寒くもないこの時期だからと、電車には乗らず歩いて帰ることに。一駅だから…
歩きだしてすぐ、スーツのポケットで震えだしたスマホ。
見ると雅紀からで。
「もしもし、どうした？」
『昼間、来てくれたんだね？気づかなくてごめん』
「いや、いいんだ。ちょっと顔を見に行っただけだから。
ゆかは？もう寝たの？」
『うん寝た。
泣き疲れたのと、ちょっとは気持ちを吐き出せて、すっきりしたんじゃない？
寝不足も溜まってたから、もうぐっすり。
翔にぃは今帰り？』
こんななんてことない会話をした後、今朝の和との一件を話した。
そしたら雅紀は、
「あひゃひゃ、やっちゃったね、翔にぃ？
でも良いじゃん、謝ったんなら。
家の中で起きたことで、謝って解決しないことなんてないと俺は思うよ？」
そう言ってくれたんだ。
だからといって、スッキリ気持ちが晴れる訳ではなかったけど、そのあと「ありがとう」を伝えて電話を切った。
誰かに今の気持ちを打ち明けたことで、少しは前を向けた気がして、残りの道のりを軽い足取りで歩いた。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
