23 鬼の始祖 ページ29
鬼が出なくなったとはいえ、油断していたわけではなかった。注意は払っていた。
普通の鬼なら、すぐ気づく。
そう、普通の鬼じゃない。
昼間こそ人通りはあれど、この時間に人が立ってるなんてまずない。しかもスーツなんかで。
炭治郎くんがずっと前言っていた。
『本当に人間と同じ体格好をしていて、ただ肌が青白く、赤い目は不気味に光る、猫のような目でした。
そいつが──』
｢無惨…！｣
目が会った瞬間、
シュルッッ
｢…！！｣
凄まじい殺気と共に無惨の背後からいくつもの鋭い触手のようなものが襲いかかってきた。
ビッ
｢…ッ｣
すぐさま距離をとり刀で振り払い避けたものの、頬をかすった。でもこんなのでは動揺しない。
｢…ほう、お前の顔とその精神力、その刀身からして、愚かな部下が仕留め損ねた女か。｣
私へ伸びてきた触手はシュルシュルと無惨の背後へ戻る。
無惨はその場から動かない。
無惨のやけに落ち着いた様子を見て、体の奥から今まで感じたことの無い怒り、憎悪で気が狂いそうになった。
こいつのせいで失われた命の数は幾千にも及ぶ、それに私の両親が含まれていることを考えると、余裕そうに振る舞う姿が本当に気に食わなかった。
ギリ…
刀を握る力が強まる。
｢残念ながら私はお前に構う暇はない。
｢滅びるのはお前。地獄へ堕ちろ。｣
無惨はピクリとも動かない。
本当に殺す気がない？
油断した隙に襲われる事も考えられる。
今ここで私が仕留めるか？でも上弦でさえ柱が3人居ても足りないなら無惨は私一人では…
…いや、
考えてる暇はない。
ダッ
仕留める
『闇の呼吸 参の型 闇竜の牙』
ヒュンッ
｢避け…｣
目の前から消えたかと思うと、気配は真後ろに
『漆の型 地獄絵図』
ｻﾞｼｭｻﾞｼｭｻﾞｼｭ!!
触手を全て斬った。
断面の様子からしてかなり再生に時間がかかっている。
無惨は顔を歪めた。
今のうち、今のうちだ。
今首を狙えば…でも、
たった2つ技を出しただけでこんなに力を持ってかれるのか。
刀を振るいたいのに、さっきまでの威力はもう出ない。
呼吸、呼吸を…
｢…覚えていろ。｣
シュンッ
｢！？待て無惨！！！｣
無惨は、瞬きする間に消えて居なくなった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 507人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さらりとクマ(プロフ) - 真緒さん» 真緒様！！ありがとうございます！！！不死川さん好きになってくれてうれちい…！作者のことも？えへへ鼻血 なかなか作品出せてない状況ですが一応ゆっくり制作中です是非よろしくお願いします！！ (2022年4月23日 10時) (
レス) id: 8eff2d73b0 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - クマさん！大好きでーす！❤️ (2022年4月1日 13時) (レス) id: f3449b7706 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - こんなにいい作品を読ませていただいてありがとうございます！実を言うと私不死川担ではないのですが（むしろちょっと苦手だった）この作品を読んで好きになりました！これからもクマさんの作品読みにいきますのでコメント見てくださいね！ (2022年4月1日 13時) (レス) @page42 id: f3449b7706 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - 風柱様むざんたおしたとはいえむりしないでくださいね (2021年11月10日 22時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしいつもおもうときがあるですりあるでかぜがふくと風柱様の事/// (2021年11月10日 22時) (レス) @page39 id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さらりとクマ | 作成日時：2021年2月3日 0時
