消去法 ページ44
空き家は家主によって掃除されていたため、小綺麗な家だった。
ある程度家具等は揃っていた。前の住人が残していったのだという。
布団もあるし、洗ってあるから綺麗だというので安心して寝泊まりできると思った。
が
「布団が1つしかねぇのは聞いてねェ」
夜も深けたので、寝るふりをして、布団に入って鬼を待とうとして押し入れを開けてみたら、この有様だ。
「あんの家主、ただじゃおかねェ…!今から殴りこんでくる…」
家主のところへ行こうとすると、黒城が俺の着流しの裾を引っ張って止める。
「やめてください!家主の方は悪くありません!そ、それに…」
なんだァ?何顔を赤くして照れている。
まさか…
「ふ、夫婦のフリなので、一緒に寝た方がいいのでは…?」
言いやがったなこいつ。
俺が何としてでも避けたかったことを。
「ダメだ。任務とはいえ、嫁入り前の女が俺なんかと同じ布団で寝ていいわけねぇだろォ。
殴り込みには行かねェ。その代わり、俺はお前と少し離れて座布団敷き詰めて寝る。
それでいいかァ?」
というか、俺がその状況に耐えられない。
別室でとなると鬼は疑って出てこねぇかもしれねぇから、それで耐えてみる。
「いや!私が座布団で!!」
言うと思った。
「先輩の命令だ、従え。」
そう言うと黙り込んで、黒城は渋々布団を敷き始めた。
とりあえず、仮眠と横になりながらの見張りを2時間交代でやることにし、2人とも横になった。
正直今どちらも眠くなく、暫くは互いに背を向けて話をすることにした。
「すみません、こんな提案をしてしまって…」
全くだ。邪念が入って仕方がねェ。
「でも、不死川さんだから、こういうことが出来るのかな、とも思えるんですよね。
不死川さんじゃなかったらやってなかったかも知れないです。」
?!
何を言ってるんだこいつ?
言ってる意味分かってんのか?
まさか、こいつ俺のこと…
黒城は話を続けた。
「もし、煉獄さんだったら声が大きいので作戦を鬼に聞かれてしまいそうだし、
伊黒さんだったら、蜜璃さんが良かったとネチネチずっと文句言ってきそうだし、
悲鳴嶼さんだったら、ずっと泣いてるから私が恐妻家みたいに思われるし、
無一郎君は幼すぎてバレるし、
宇髄さんはなんか、何するか分からないし、
冨岡さんは、喋らなすぎて息が詰まりそうだなぁ、って思うんです。」
期待した俺が馬鹿だった。
消去法で俺が良いみたいな感じじゃねェか!
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さらりとクマ(プロフ) - snowさん» 質問ありがとうございます!読み方は「やみりゅう」です!なんか厨二病っぽくて書いてて恥ずかしいので技とかはさらっと流していただいていいですよ!!!! (2020年10月22日 20時) (レス) id: 80a6dd6298 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 質問です!この作品でちょくちょく出てくる闇の呼吸ですが、「闇竜」の読み方教えてください!(クマ様の闇の呼吸結構好きです!) (2020年10月22日 19時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - いぐろさん» 何回も読まれるのはちょっと恥ずかしいですね!でも読んで頂き有難うございます! (2020年10月4日 12時) (レス) id: 80a6dd6298 (このIDを非表示/違反報告)
いぐろ - 何回でもよみたくなる!!!!!! (2020年10月4日 11時) (レス) id: abcdb48192 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - いぐろさん» (い、伊黒さん…?!)有難うございます!嬉しいです^^*続編の方も頑張ります! (2020年10月4日 11時) (レス) id: 80a6dd6298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さらりとクマ | 作成日時:2020年9月27日 2時