風柱さんは闇柱に片思い中･･･。壱

捕まった ページ40

捕まってしまったやばい、本当に。

見なくてもわかる。
鬼の形相をしているに違いない。



ガシッ

？！


突然視点が高くなり、地面を見下ろす。

不死川さんに担がれた。

不死川さんは無言で少し早めに歩く。

やばい、多分森に投げ飛ばしに行くんだ…。

「お、お許しください！笑ってすみませんでした！！」

ピタッ

不死川さんが止まる。


ひぃ！投げられる！投げられたらしっかり受け身とらないと…と考えをめぐらせ目を思い切りつぶると




トンッ



え？



不死川さんは、縁側に座る悲鳴嶼さんの隣に私を座らせた。


「最初から言うこと聞きやがれェ」


そう言うと、また血相変えて蜜璃さん、宇髄さん、冨岡さんを追いかけにいった。


「なんで私座らせられたんですか？」

「おそらく、走ると腰に巻いてる羽織がはだけてしまうからだろう…。」

「あ…」

羽織で隠してはいるものの、かなり広範囲の素足を晒してること忘れてた。

それと…と悲鳴嶼さんは続けた。


「不死川は、もとから黒城を追いかけ回すつもりはなかったようだ…」

…じゃあ

「勝手に私が逃げていただけですか？」

「そうだ。」


なんだったんですかさっきの。
ただの体力の浪費じゃないですか。
任務もあるのに。
不死川さんも最初から言ってくれればいいのに。
なんて思いながら、悲鳴嶼さんの横で私もお茶を啜った。



(ああ…不死川は本当に不器用な男だ…。好きな女にかっこ悪いところを見せて少しヤケになったんだな…。南無…。)



「悲鳴嶼さん、この忙しない状況のどこに泣く要素があったんですか？ちなみに悲鳴嶼さんだって可笑しくて笑ってましたよね？同罪ですよ？？」


いつも泣いているけど、急に涙を流すので驚いた。



不死川さん、ごめんなさい。

でもいつもクールで男らしい貴方がネコを助けたために鼻血をだすことになったというのがちょっと面白かったんです。
すみません。

そして、私の格好気にかけてくれてたのにずっと走っててすみませんでした。
怒り狂っているように見えて、やはり不死川さんは優しいんですね。

でも、その優しさがあったなら、ほかの3人も許して上げていいのでは…？


(ああ…黒城、そういうことでは無いのだ。お前だから優しくするのだ…南無。)

〔Aさんは、悲鳴嶼さんに心を読まれていることを知らない。〕



それから夕方まで鬼ごっこは続き、柱達はそれぞれ任務へ向かった。


悲鳴嶼さんと私以外はヘトヘトになりながら。

新しい毒→←冨岡さんVS不死川さん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す