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Aは、その宮殿の中に入る時、片目に触れた、気がした。
彼女の、左目を
宮殿に入れば、彼らが2人を待っていた。
アリババは目を丸くし、Aは下から見上げるように、背中で腕を組みながら首を傾げ微笑んで彼らを見た。
「歓迎しよう、「煌帝国商会」の使節殿。
＿いいや、久しぶりだな！アリババ！
そして……
A!!!!!!」
レーム帝国最高司祭
ティトス・アレキウスは、明るい人懐っこい笑みを見せた。
彼の視線は、最終的にAに注がれた。
交差するその瞳は、
お互い、好意的なはずなのに……
どこか、お互い影があるような、そんな気がした。
それに気がついたのは、お互いだけだった。
▼▼
愛ほど歪んだ呪いはない。
某人気漫画で、誰かが言った言葉か。
確かにそうだ。
この世界でも、また少し変わった形で、それが立証されそうになっている。
「仕方がないんだわ。」
女は背まである長い杖をついたまま、ズルズルと地面に崩れ落ちた。
その、数え切れぬ膨大なナニカを背負った背中が、小さく震えている、
「どちらにせよ、、居なくなるべきなんだから…」
杖を強く握った手が震える。
「私は間違ってなどいない。」
「けれどそれを証明することも許されない。」
「私に向けた愛が、全て呪いなのなら……」
「彼らを解放してあげなくては。」
「あの私を愛してくれれば、それは、本物だから……」
「ううん。もう、本物か偽物かなんて、どうでもいいの……」
「もう、、、いいの。」
ずるりと地面に手を着いたかと思えば、スクッと立ち上がった。
「これが正しい道。私にとって。私が望む、この道が、私にとって正しい、正解の道！」
女は何も映らなくなった目を細めた。
けれどその瞳の奥には、赤い瞳の奥には……
膨大な、真実が。世界が。宇宙が。知識が。未来が。
世界のそのまた先の世界が、
見えていたのだった。
「さらば、”この世界の私”よ！」
両手を広げてそう笑顔で叫べば、
アハハハハハと笑った。
儚い、馬鹿な女だった。、
＿マギ30・完＿
あなたの人生の貴方役を、貴方は他人に預けることが出来ますか？
もし、そんな日が来たら
「後はこの世界の私をよろしく！」
と、笑顔で送り出せれば完璧ですね！
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年6月30日 21時
