本気.29［マギ］ (ページ47)

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「……は？」Aは目をまん丸くして白龍を見た。

「あなたは特別、不思議、普通とは違う、ありえない、存在なのかもしれない。

でも俺は言ったはずです。あなたを”一人の女性”として見てるってね。」

「……!!!」

「俺は諦めませんよ。あなたにどんな理由があろうとね。
で、どうなんですか？まだ俺にチャンスはあるんですか？次はちゃんと、正々堂々惚れさせに行ったら、振り向いてくれますか？」

「……はーあ……？」

「可能性があるか聞いてるんですよ！どうなんですか！？」

「えっ…いや、それは…………その……別に、白龍のこと恨んだわけじゃないって……」

「……」白龍はフッと笑った。

「まあ、初めから諦めるつもりないんですけど。」

「……???」相変わらず目に光は宿っていないがAは首をかしげ困惑していた。

「……まあ、A殿はどんな俺でも、理解しようとしてくれることはわかりました……

けれど、A殿、アラジン殿、……」

「！なんだい？」

「目指していた未来と真逆、か……そうかもしれない。「組織」には、人間を強制的に「堕転」させる方法があったという。そうされた人間はたまったものではないでしょう。

しかし、生きてく中で、最初に目指していた輝かしい未来を……

目指すことを、途中でやめて、恨んだり、葛藤しては…いけませんか？

不幸だからと…………あなた方に生き方を、決められたくはないな。」

アラジンは目を見開いた。

「……まあ、A殿の場合は、他の道を検討しようと誘いかけてきただけらしいですけどね。どの道、俺を幸せにしようとしてるのは同じみたいだし。」

「……幸せになる未来がないことを知っていて、今そうやって生きてるの!?」

「貴方もそうなんじゃないんですか？」

「……!?」

「……自分に何も残らないことを知っていて相手の幸せを望む貴方も、似て非なるアレだと思いますけどね。」

「………………それは……初めて、言われた……」

白龍はフッと笑うと、しっしと手を振った。

「くだらないことを言いました。もう行ってください。」

「！」

Aはなんなのこいつ、というように頬を膨らませながらも、のそのそとターバンの真ん中に戻った。

『「イル・イラー」の危機が去ったとしても、「堕転」は悪いことですか？』

『驚異が消えたとしたら、「堕転」はそうこだわらないよ。』

「…アリババくん、君はどう思う？」

……