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「ルフに潜る隙を与えないつもりか!!」
「そうだ。だいたい分不相応なんだよ!!攻撃を跳ね返すだけで「アルマトラン究極の力魔法」だと？笑わせんじゃねーよ!!」
「!!!」
(そうだ…僕はまだこの魔法の全部を使いこなしちゃいない！
ソロモン王は…僕のお父さんは、目には見えないこの世のあらゆる力のベクトルを見ることが出来たと言う。
だからこそ、それらすべてを操ることで、あの「ダビデ」や「アル・サーメン」、「イル・イラー」すら押し出すことが出来たんだ！)
コォオ
(僕と今、そうしなければ
せっかくAおねいさんが、僕を守るように無理やり自分の信じたい気持ちを押し殺して戦ってくれてるのに……！
でも見えない…僕には見えない、異次元の力のベクトルが……!!)
「オラァ!!」
「アラジン!!」
ドン
黒い雷に背中を打たれ、ガラッと割れた地面の岩の間に落ちるA。
咄嗟にアラジンへの攻撃を転送魔法を使って守ったAは、転送魔法の後に負担が大きいためすぐ
「Aおねいさん…！」
岩に手を乗せ、ぐぐぐと瓦礫の間から上がってくるAは、頬に傷をつけ鼻血を垂らしながらもにやりと笑っていた。
「舐めてんじゃないわよ…たかがこの世界の住人に負けるつもりなんて、ないんだから…!!!」
「!?」
Aは瓦礫からぴょいっと飛ぶようにして出ると、少し浮かせたところに氷の踏み台を空間に固定させるとそれを強く蹴ってジュダルのもとに飛んだ。
(方法を…考えろ…)
ハアハア
(おねいさんが無理して頑張ってるんだ。なんとしてでも、洗脳が盲目状態に戻る前に終わらせなきゃ…)
「白龍のことも忘れたのかよ!?あいつは、お前を、信じてんだぞ!?」
「……!!!」
(見えない力を操る…方法を考えるんだ。)
動きを止めるAの横をとおりすぎ、アラジンの前に降りてくるジュダル。
「…ざまあねえな、おまえが俺なんざ相手に必死だなんてよ…」
「何を言う、最初から…わかってた。君を止めるのは、Aおねいさんでもなく僕しかいないってけ。」
「！！………………ハッ…そうかよ…………」
「そうさ!!」
＿僕たちは、世界でたった四人の、「マギ」。
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月8日 23時
