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「ははっ、可哀想な奴!」

笑うジュダル。
白龍はフッと笑った。

「まさか。Aは嫌か?俺のところに来るのは。」

Aは顔を上げると、目を細めた。

「ううん。しあわせだよ。」

この時、彼女は完全に白龍に依存状態となった。
彼女のオッドアイに渦巻く深い影に白龍は頬を小さく染めて興奮するように口角を上げて目を細めて笑った。
堪らなかった。一時だけの彼女であっても、これは今までにないほど幸福なものだと思った。

「ははっ、これは最高だなあ!カワイくなったじゃん!」

ツンツンとAの頭をつつくジュダル。彼女は幸せそうにうっとりと目を細めた。

アリババとアラジンは困惑した。そして怒った。

許せない、許せない許せない!

こんなのあってはならない、大切な彼女の頭に入り込み洗脳するなんて、絶対に!!

「いいか?A、俺らは今からあの二人を捕まえるんだ。」

「うん。」

「だが君は俺が指示を出すまで、安全な離れたところで見ているだけでいい。」

「そうなの?」

「ああ。それとジュダル。どの道、アリババを”書き換える”にも6日間拘束し続けねばならん。腕や脚の一本や二本奪ってでも力で従わせてみせる。」


ジャキ


「そうでなくては。」

「その通りだぜ…!」




ビィイイイイ



「何ィ……!?」





「戦わなくては、」




「意味が無い!!!!!」




白龍はザガンの魔装を、ジュダルは額に第三の目を開いた。

その二人の間から覗く、2人の後ろで両手の指を組んでニコリと笑っているのはA。

そのうつろな瞳は、いつも大きく開かれていて笑う時は目が見えないほど細められるはずだし、

薄く横に開いて上がっている広角は、いつも笑う時は大きく開かれてあははと豪快に笑っているはずだし、

_こんなのAじゃない!






ゴォオオオ



ドドド


「やっ…やめろ、白龍!!」


ググググ

ブチブチッ

(こいつ…本気だ…殺られる…!!)

「宿れ、「アモン」ッ!!」

ガキィン!

ポォ

(「魔力操作」!魔力の膜で槍を覆っている、アモンの剣で斬れねぇ!同じだ……「大聖母」の時と…)




「「降り注ぐ氷槍(サルグ・アルサーロス)」!!」

「!?やっぱり、ずっとパワーアップしてる!バルバッドの戦いの時よりも…ジュダルくん…君は一体…!?」





ガッ

空中では魔装ザガンと魔装アモンの壮絶な戦いが繰り広げられていた。


ヒュッ

ガシィ!

ドカッ!!



アリババは白龍の膝で顎を殴られ、上に飛んだ。

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作者名:氷空音 | 作成日時:2022年5月8日 23時

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