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「…でも彼女は半分は堕転しているといっていなかったか？」
「あー、そうなんだけどよ、、まっ、先に引き入れてから”黒ルフの核”となってる部分を刺激したら、多分すぐ堕転させられると思うぜ。
まあ、その場合はあいつがあいつじゃなくなるけどな。」
「……？それはどういうことだ。」
「いや、あいつの場合は、あいつの”中”に数人のルフが眠ってる。その1人のルフが堕転してンだ。だから、そいつを刺激してあいつ自身を堕転しても、意識や性格が色々変わるんだ。その元から堕転していたルフのものに変わっちまうんだよ。
俺は別に加護が貰えるならいーけどよ、おまえはどうなの？」
「………」
白龍は考えるように外を眺めた。
『白龍！』
『白龍、お料理上手だね！あはは、白瑛様の料理は、面白い味してるよね！』
『白龍って、髪の毛サラサラだよね、なんでなの？煌帝国の人はみんな、髪がサラサラなの？えっ？私もそうでしょって？やだな、照れるよ！』
『白龍！』
『白龍……』
『白龍………』
記憶の中の彼女の心臓部から黒いルフが溢れ出して彼女を包む。
そして顔をのぞかせた彼女は、既に希望を捨てた目をしていた。
『白龍。次はどうしようか。』
。
「いや…それは、、、、」
「……まっ！とりあえずそれは引っ捕まえてから考えよーぜっ！俺も考えてみりゃあ、狂ったアイツも見てえけど、1番みたいのは…
引っ捕まえられて、絶望してる顔かな？」
白龍はジュダルのニヤリとした笑みを見て、呆れたように鼻で笑った。
「確かにそうだ。俺を「幸せにしたい」なんて嘘でも口を走らせたのは、今の彼女だからな。人格が変わって記憶も消されたらたまったもんじゃないさ。」
もし堕転して自分に従順になるのなら、それもいいけれど。
「まあ、分かるんじゃねえの？戦った時に、黒い方の力を使えば、完全に堕転せず俺の加護も出来ると思うぜー！」
「……そうか。まあ、とりあえずは…
取り返そう。無理やりにでも。」
ニッ
「おまえなら、A殿のことも、紅炎のことも、俺の言っている意味が分かるだろう…？」
ニコッ
＿ああ、白龍。おまえの…その「大義」さあ………
ニヤーーッ
(サイッコーに、ブッ壊れてんぜ!!!
人々から怒りを取り上げる紅炎が許せねーだって？「ベリアル」で大勢の怒りを書き換えたおまえが？ハハッ、傑作だな！)
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月5日 23時
