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そうだ、俺たちを認めてくるのはたった1人だけ。
彼女だけなんだ……！
＿「怒りを捨て、戦いはもうおやめなさい。」
白龍がフッと意識を失い、倒れる直後、
ザクッ！！
なんと白龍は太ももに剣を突き刺した！
「怒りを捨てろだと…？」
ググッ
「冗談じゃない…怒りだけが、俺の生きる道だ…」
ググ
「俺の生きる力の源だ!!!
欺瞞の鎖で俺は止められんぞ!!!紅炎!!!」
ジュダルは目を見開いた。
「誰も俺の生きる道を、人生を理解してくれない…！
本当の俺自身の幸せを願ってくれたのは……彼女だけだ!!」
＿バカな!!「いましめの輪」を頭に食い込ませたまま動くだと!?私がふさいだ神経を無理に動かせば、一体どれ程の苦痛が…!?
(さすがだぜ白龍！お前にもAのことが過ぎったのが不思議だが、おまえを奮い立たせる起因となったならなんでもいい！だが、こんな体じゃあ玉艶と戦っても勝てねえだろう…
俺のとっておきを試すっきゃねーか。)
「白龍！俺は一足先に洛昌に行くぜ。ちょっと準備があるからよ。おまえは兵隊と一緒にその後運んでやるから、ちょっと待っててくれ！」
ジュダルは転送魔法で、どこかに消えた。
白龍の頭の中を支配していたのは、怒りと、一人の女に対する歪んだ愛情だけだった。
頭の中で全てが歪む。
彼女が実際に言った言葉と、虚言が混ざり合う。
その混ざった血のようにどす黒い液体が、愛する人を作り上げる。
＿白龍、私だけを見ているんだよ。
本当の彼女では無いと知っている。
それでもその手を取りたくて仕方がない。
嘘だと知っていても、これはただの願望だとしても…
＿顔も知らぬ誰かの”呪い”だとしても……
間違いなく、今の本当の自分を、怒りの奥底に眠ったいつからか忘れていた自分の本心を、幸せを見つけ出し救い出してくれるのは世界でたった1人、彼女だけだと…
”誰か”が言っている。
彼女しか愛せる人はいないと。
彼女しか愛してはならないと。
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月5日 23時
