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「ルフの記憶を具現化し、他人に伝える。」
「え〜っ、そんなもんが玉艶との戦いになんの役に立つんだよ？」
「いいから頼む。できないのか？」
「やってやろうじゃねーか！」
＿10日後
「考えは纏まったかよ？白龍。」
スゥッ
「ジュダル。”時間切れ”だ。」
「何…？」
ドドドド
「第九補給基地…………突入する！」
「どうするぅ？白龍。」
二人はニヤリと笑った。
▼▼▼
Aは自由に黒城にやってこれる力を手に入れた。
彼女のルフは黒城と繋がっているので、意識してみて特訓すれば意外と簡単にできた。
「改めて見ると、確かに…お姉ちゃんとの記憶が蘇ってくる。」
前は黒色も映える美しい城だったけど、今ではボロボロで、どこからか雫の落ちるポタポタという音も聞こえる。
広い広間から出よと扉を開けてもほかの部屋で、どこを探しても外に出る扉はないようだ。
「それにしても広いなあ？」
「当たり前だろ。俺が作った空間だから、永遠に奥まで作り出せるのさ。」
振り返ればそこにはセイバーが居た。すっかり水色だった髪は黒くなっちゃって、とAは冷たい目で見れば、「ンだよ！」と怒鳴られた。
「それにしてもセイバーって、ウーゴとは違ってジンらしさがないよね。なんで？」
「あんなデカい頭体だと動きずらいし。」
あっ、そんなコントロール効くんだ！と初めて知った。が、多分できるのは彼だけだと思う。そんなこと言ったらみんなもそうしたいと思う。
「そうだ……私、聞きたいことがあったんだけど……」
「……？」
「セイバーの力が、今どれ位使えるのかってこと。」
「……俺の力を使うのは構わないけどよ、使えば使うほど自我を失うし、何より黒いルフがある場所じゃなきゃ大した力は使えねえぜ。」
「それは知ってる。けど、使うべき日が来るはずでしょ？あと、どんな力が使えるの？堕転して元々の力の逆になったのはわかったけど……」
「いや……多分、それだけじゃない……グロリアのルフが手伝ってくれれば…いや、娘のお前が使うんだったら＿＿」
「……そう！！！それはいいこと聞いた！」
Aは目を細めると、じゃあねーと手を振ってズヌリと地面に溶けていくように消えていった。
「……あいつ、何を”視た”んだ？」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月5日 23時
