答え.28［マギ］ (ページ11)

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「………………その報せ、虚報の可能性は？」

「ございません！すべての伝文が同一の凶報を伝えております。反乱です！白龍皇子の率いる反乱軍により、帝都の守備兵団は壊滅、残存兵は西征軍を頼りバルバッドへ向かっております。

どうか早急に陣頭指揮をおとりください総督閣下!!!!」

「ちょ…………ちょっと待てよ！

白龍が……殺した？あの時言ってた自分の母親を？」

『練玉艶煌帝国に巣食う魔女です。あんな女は死ぬべきなんです。生きてちゃいけないんです……』

アラジンとモルジアナとAたちは顔を見合せた。お互い有り得ない、信じられないという顔をしている。

「ばかな。白龍には”不可能”なはず。」

「………………おまえか？ジュダル……」

「そうだ。紅炎、白龍につまんねえ小細工しやがったな？でも、”外す”のは簡単だったぜ。

今の俺の…力ならなっっ！！」

スッ

ビィイイ

ドン！

「なんだあれは！？」

騒ぐ黒いルフ。

Aは風でバサバサと揺れる服も髪も気にせぬまま、呆然とその光景を見あげた。

(見たじゃない…私たちは、ほんの少し前に……これに似たものを……「アルマトラン」で！！)

ビィイイ

カッ

ジュダルの額に開いた目に、Aは目を見張った。

ズズウ

「受け取れよ、ほんの挨拶がわりだ。」

バリバリバリ

「話し合って終わりだと！？そんなのつまんねぇ。地上にいる全員で戦って決めるんだ。誰が世界を手に入れんのかを……

それが俺の、「マギ」としての答えだ！」

(そんなこと言われちゃあ。)

ジュダルがビッと首を横に親指で切る仕草をすると、ズドオン！！と海に黒い鋭い攻撃が落ちて、波がこちらへ届きそうなのを、ティトスが咄嗟にボルグで受け止めた。

(助けるとか救うとか正すとか以前に……無理なんじゃないの？)

「じゃーな！本国で待ってるぜ。」

Aは頬を引き攣らせながら槍で星を描き、その中に消えていくジュダルを見送った。

「あれは！！やはり空間転送魔法……ダンダリオンと同種の…「ジン」の加護なしであんな魔法を……！？

一体いつの間に手に入れていたんだ？これほどの力を……」

「ジュダル…それに白龍…一体…何を始めるつもりなんだよ…！？」

「おねいさん…大丈夫？」

「……うん。」

頭の中に浮かんで消えないのは、白龍の優しい笑顔だった。